固陋。
「お前には、執念が足りないんだ。成功を掴むには、毎日悪夢を見なければならない」
兄貴は、物知り顔で語り始める。
「正直言ってさ、覚悟のレベルが違うんだよ。お前は毎日やるって決めたことを、夢の中でもやっているか? 夢の中で、鉢巻をきつく締めたことはあるか? 腹に決めるって、ほういうことだぞ」
「……もういい加減にしてくれよ。兄貴は、固陋だよ」
「古老? 」
「自分が成功したと、諦めたじゃないか。設定していたゴールをどんどん近づけて、ゴールした気になっているだけだよ」
「……」
「成功したなら、俺にわざわざ突っかかる必要がないじゃないか。諦めたのに、諦められきれていない。もううんざりだy……」
「いやぁ、夢の中とはいえ随分酷いことを言ってしまったから、謝りたいんだ。僕は今、毎日感謝をするようにしているんだ」