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Ginger Boy.

「僕は結局、添え物に過ぎないんだ」

生姜くんがネガティブなのはしょうがないことだけど、それにしても不憫だった。生姜くんが恋する人はおしなべてパートナーが、それも出来合いではなく堅牢な関係をもつパートナーがいた。でも、生姜くんはあまりにも都合がいいから、一度か二度ばかり不倫の相手を務めた。

「臭みを消したら、僕はいつも捨てられる。頑張って下味をつけても、その上からコーティングをされる。ねぇ、どうして僕はいつもこうなんだろう?」

薬味としての幸せ。僕はその伝え方にいつも悩んでいる。大味なメインディッシュが味わう幸せとは違って、もっと繊細な幸福の切れ端。その美しさを、生姜くんにどうやったら伝えられるだろうか。

「擦りおろされたり、切り刻まれるだけなのはもう懲り懲りだ」

立ち上がった生姜くんは、間違った道を決意してその後苦しんだ。生姜くん的な幸せは確かに存在するけれども、それを受け入れられるかどうかは、とても哀しいことだけど個人の問題でしかない。



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