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妊婦を彩った平安かき絵まき👘🦪📜平安時代【カキで地球の王になる3部作】EP3
「牡蠣は食べないでくださいね」
妊婦に対して産婦人科医はそう喚起した
なぜ牡蠣だけクローズアップされるのか
それは平安時代にさかのぼる
択食魚に牡蠣もがな
唯ひとつ牡蠣も牡蠣
長門の入海の其の浦なるや
岩の稜に着きたる牡蠣こそや
読む文 書く手も
八十種好紫磨金色
足らうたる男子は生め
「択食魚」は「つはりな」と読む
悪阻(ツワリ)のときに食べるといいとされていた滋養食のことだそうだ
「妊娠した女性が元気な男の子を生めるように、牡蠣は牡蠣でも、長門の入海という浦の、岩のそばにある牡蠣が欲しい」と歌っている
万葉集の記述から「長門の入海」は「広島県の安芸、倉橋島」あたりでとされる
平安時代から牡蠣は滋養強壮や妊娠促進の効果があると知られていたということになる
ちなみに牡蠣の養殖は室町時代に広島から始まったといわれている
ゆえにこの牡蠣は広島に自生していた天然の牡蠣だと思われる
平安時代から妊婦の滋養食として有名だった牡蠣
にも関わらず、なぜゆえに「食べないほうがいい」となったのか
医学の進歩で新事実でも発見されたのだろうか…?
そこで産婦人科の先生に実際に質問したところ「牡蠣はいまでも妊婦にとって最適な食材です!」という
ますますわからなくなった
ではなぜ「牡蠣を食べないように」と促すのか…?
その答えは牡蠣…もとい下記のようなものだった
いまのように肉や卵などタンパク質や栄養豊富な食材が手軽に手に入らなかった時代は妊娠したといえば、滋養強壮かつ栄養吸収もいい牡蠣を食べるの習わしなくらいでした
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ところが近代、汚染された海で生産された牡蠣が増え、その影響で「あたる(食中毒)」被害や事故が増えました
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昔からの習わしだったため、産婆さんや産婦人科医が妊婦に牡蠣たべるようすすめる方が多くおり、そのせいで妊婦が食中毒になることが増えてしまった
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母体は大丈夫でも、胎児への影響は大きく流産してしまうことも増える
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そういった背景から私たち(産婦人科の先生)はあえて「牡蠣を食べないように」と注意を促がすようになりました
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そういった背景や事情が説明がなされないまま「牡蠣を食べないように」とだけ注意喚起するので、いつのまにか「妊婦は牡蠣を食べてはいけない」に発展してしまったのではないかと思われます
亜鉛が豊富で女性ホルモンの分泌を促す効果などがあり、不妊治療にも牡蠣を食べることを勧める医者も多い
無事妊娠にしたあとに継続して牡蠣を食べてしまわないように、ということもあるのだそうだ
牡蠣は1日に約400リットルもの海水を濾過して育つ
海の恵みだけでなく、海洋汚染をそのまま人間に戻してしまうことも
汚染されていない海域で採取された牡蠣であれば「あたる」心配はなく、昔と同様、妊婦に最適な食材なのだが
アレルギー体質の人も増えたという
牡蠣はあまりに豊富にあらゆる海の成分を保有している
そのためアレルギーがでる可能性も高い
牡蠣は海のエネルギーをすべて詰め込んで僕らに運んでくれる
セックスミネラルと呼ばれる亜鉛も食材の中で一番多く含まれている
いまほど衛生環境も良くなかったであろう平安時代に「丈夫な子」として生まれてこれるかはとても大きなことであったろう
海あれば牡蠣あり
海洋国家ニッポンの人口増加のカキ…もといカギは牡蠣にあった
少子化にあえぐニッポンに牡蠣を
そうカキましてこの章を終わりたいと存じまする
今後のEP予定
ヒトはカキで進化した
カキと共に生きる
EP1:~縄文時代
✅牡蠣は逃げない隠れない
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EP2:古代ローマ時代
✅帝国は牡蠣なくして成らず
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EP3:平安時代
妊婦を彩った平安かき絵まき
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EP4:戦国時代
風林牡蠣こそ最強信玄の進源
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EP5:大航海時代
コロンブスは卵ではなく牡蠣で生き延びた
アメリカは牡蠣のおかげで開拓できた
ニューヨークとシアトルが拠点なのは牡蠣のせい
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EP6:明治時代
世界で活躍する日本の牡蠣
現代カキ養殖の父は日本人
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EP7:1970’s
世界の8割は日本の牡蠣
カキ、フランスを救うフランス国旗
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EP8:現代
牡蠣で復活!60年閉鎖の海水浴場
カキそれは天然の浄化装置
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Final EP:人類創生
カキは人類の食物連鎖のカギ
ヒトを頂点とする食物連鎖を生む
出典情報
・梁塵秘抄
・東邦大学医療センター産婦人科
・国際中医薬膳師 坂本雅代
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