身体は元気なのに、心がダメになってしまうことがある。心がダメになると大丈夫だったはずの身体にも影響が出てきて、猫に失礼なほどの猫背になり、表情筋も重くなる。なんとなく体調が悪いような気までしてくるから、病は気からというのは本当なんだなと思わされる。 自宅でくつろいでいて自由が利く時などであればまだ良いのだが、職場にいるときでも心がダメになってしまうことがたまにある。社会人としての自覚が足りないだとか、心が弱いだとか、そういうことを言われたら、それはもうごめんなさいねと言う
この家に引っ越してきて間もない頃、目に映るすべてが新鮮だった。今ではすっかり見慣れた駅までの道でさえも、すべてが新しかった。目新しさに心を躍らせつつも、自分の余所者感が拭い去れず、私はなんとなく孤独を感じていた。 そんな暮らしの中で、私が勝手に親しみを覚えていたのがハトである。ヒトが近くにいないとなると、どうやら私はハトを代用とするらしい。確かに一文字しか変わらないし、似たようなものだと思う。大らかなのが私の良いところだ。 ハトのあの独特のフォルムとなんとも言えない歩き方
(※今回の記事における「メロンパン」は、全体的に薄黄色で、上部がビスケット生地になっているものを想定しています。オーソドックスなメロンパン。絵に描くときに一番に描きそうなタイプのあのメロンパンを想像してください。) メロンパンはメロンの味がしない。 そもそも、メロンパンにはメロンが入っていない。 なんなら、メロンパンにはメロンの香料すら入っていない。 私がこの衝撃の事実に気がついたのは、割と大きくなってからで、確か高校生か大学生の頃だったと記憶している。自分の気付きが
あぁ、そういうノリね、はいはい…… 思いっきり斜めの姿勢から始まって申し訳ないが、私は最近流行りのこういうノリがどうもいけすかない。なんでもかんでも肯定しすぎるというか、肯定に重きを置きすぎているこの風潮に、薄ら寒さと嫌悪感を密かに感じている。文末に所謂ぴえんみたいな絵文字が添えられていそうなこのノリ。「所謂ぴえん」ってもう一生使わなさそうな日本語だな。 ここ2〜3年くらいだろうか。えらい!だの自己肯定感だのこういった言葉を使う人間がやたら増えたと思う。流行りなのかなと思
先日スーパーに買い物に行き、果物売り場を通りかかった時、ある文字が飛び込んできた。 「中身で勝負!」 筆で書かれたような勢いのある文字が、りんごがいくつか入った袋に印字されている。思わず気になって少し足を止めてみる。 他に印字されている細かい文字を読むと、どうやら天候の影響などで小さな傷がついてしまったりんごを少し安く売っているらしい。 いわゆる傷物だ。決まり文句のように、「味に変わりはありません。」とも書かれている。 「中身で勝負!」という、勢いだけ見れば強い台詞の
今年一年はなんだかこれからの人生や死について考える時間が明らかに増えたと感じている。今でも気を抜くと余計なことを考えてしまいそうになる。 しかし決して暗くて重い話をしたいわけではないし、実際に暗くて重い話でもない(と思う)。 私はそれなりの距離を保った上で、あくまでも人生の行き着く先の選択肢の一つとして冷静に死というものに思いを馳せていた。こうして考えられているうちはきっとまだ大丈夫だと、どこかでそれを心の指標や支えにもしていた。 2020年を振り返ってみて、ここまで人生
令和2年夏。新型コロナウイルスの影響で、なんとなく外出するのを憚られていた夏。実家に帰るのもやめて、暇を持て余していたこの夏。 茹だるような暑さと、季節に似つかわしくない閉塞感のなか、私は出会ってしまった。カヌレ、𝑚𝑦 𝑙𝑜𝑣𝑒......𝑠𝑜 𝑠𝑤𝑒𝑒𝑡...... 大袈裟にもタイトルに愛なんてつけてしまったけど、冒頭のやかましい謎ポエムからもわかるように、私とカヌレの出会いはこの夏なんですよ。2020…恋をした…oh…君に夢中… というわけで、どこのお店のカヌレ
人生において大切なものは色々あるが、どれだけ綺麗事を言ってもなんだかんだお金はかなり上位に挙げられるのではないか。無さすぎて苦しむことはあるけど、ありすぎて苦しむことは少ないだろう。ありすぎたことがないからそのあたりはわからないが、きっとそうだ。 私はどうやら働いて稼ぐということがあまり好きではないらしい。曲がりなりにもそれなりに社会人をやらせてもらっているが、どうも好きになれない。ごめん労働、お前の気持ちには、応えられない……。 日々仕事には渋々行ってやっているとい
20年以上私をやっていると私のことが少しずつ分かってくる。私はどうやら、香ばしいものが好きらしい。 アーモンド、くるみ、ごま、玄米、もち麦などなど。そして、その括りの中での王道がきなこである。今日はきなこについて少しお話ししたい。いい大人がきなこについて2,000文字近く書きました。どうなってんだよ。 わらび餅にかけられた姿で出会ってから早20年以上。幼い頃はわらび餅の食感や冷たさに魅了されており、そこまできなこのことを特別だと思っていなかった私が、きなこをこんなに好き
べつにそんなポエムみたいなことを書きたいわけではないのに、タイトルがそれっぽくなってしまった。記念すべき初めての投稿から終わりについて書くのは如何なものなのだろうか。 突然こんなにも寒くなってしまって、ふざけるなよ地球!と分不相応な怒りを抱えながら最寄駅から家までの道を歩いた。今日の最高気温は15度。10月も半ばになればそりゃあ妥当な気温かもしれないが、たしか1週間前は25度あったはずだ。私如きの身体が適応できるわけないだろう、ナメないでほしい。 空気が冷たくて、空