見出し画像

J庭56で出した本の諸々備忘録!

J.GARDEN56にサークル参加してきました〜


今回出す本

普段は自分のお庭でキャラクターを作ったり考察したりして遊んでいる私ですが、今回出るのは「J.GARDEN」
以前友人が出るということで、組版装丁&装画担当、および売り子としてサークル参加したことはありましたが、今回は作家としてちゃんと本を出したい。

前回のブースなど。キラキラ

J.GARDENとはBLやブロマンスの本を出す場ですので、自創作は一旦しまっておきます。
人によってはブロマンスじゃない!? と言われるかもしれない自創作ですが、決してそんなことはないのよ。そうかもしれないけど、私の個人的な希望でそうではないのよ。

というわけで、今回は人生初BL執筆!
どうせならR18にしてみよう。
今回の記事は「装丁・組版・装画・執筆」を全部やっている人がどうやって完成まで漕ぎ着けるかという記事です。

ステップ① 装丁案を考える

装丁案を考える前に、まずキャラクターを考えました。
BL玄人の友人によると、表紙で攻めと受けのビジュアル、どっちがどっちなのか分かると嬉しいとのことで、やっぱりパケ買いしてもらうためにはBLっぽい絵を表紙に入れるのが良いらしい。
少し前にも「帯(表紙?)に受け攻め分かるようにしてくれ!」という嘆きがXのTLに流れていたような気がします。

←攻め 受け→

服は雑ですが、大体の造形が分かれば良いかということで。
キャラクターを考える前にはストーリーに使用する大体のアイデアは練り済みです。あとは下調べなどが残っています。

目指すは宗教ホラー兄弟BL!
これですよ。私の好きなもの詰め込んじゃったもんね〜

兄に執着する新興宗教幹部の弟 × 無口で無欲な教祖兄
↑帯を作るときに考えてもらったカップリング内訳。これですよ。

さて、キャラクターが大体出来たところで、写真などはないですがアナログで装丁案を書き散らしました。一旦アイデアを出す時にはアナログが良い、という経験則です。おすすめはユニボールペンのjigno 0.28、黒です。
それからiPadに移行して、頭の中のカラーを起こしてみます。

そしてこう!

第一段階ラフ。タイトルも決めた


私は毎回装丁する際に、何かワンアイデア試そうとしています。
装丁の経験はまだまだなので、一旦自分で何が出来るか試行錯誤しているのです。百聞は一見にしかず! ということで。
今回は初めてA5サイズにすることにして、ワンアイデアとしてはカバー裏を印刷することにしました。

最終アイデアはこちら。

最終ラフ

第一段階のラフの時点からじわじわとイメージカラーを固めました。
食関連の宗教なので、イエベでまとめていきます。
食欲減退食の青緑(黒)で締めつつ、差し色にオレンジを入れます。攻めの目がオレンジ色なので……あと、なんか美味しそう。
スピンやしおりはあると嬉しいというご意見をいただきましたので、毎回どちらかはつけるようにしたい。金色のスピンをつけました。

仕様が決まったら、この段階で印刷所を探します。
というか印刷所を見ながら仕様を考えます。

カバーの表裏印刷がしたかったので、カバーはプリンパさん。
本体は入稿日が遅くていつもお世話になっている安心のブロスさん!

入稿日が分かったら、震え上がりながら中身に手をつけ始めます。
頑張るぞ〜🎶

ステップ② プロットを書く

さて、私今まで書いたことのある小説は、最長で7万字だった気がします。
それも一年ほど前で、自創作の小説(単発でも読める、面白い)でした。
それを書く前は3万字が最長だったのですが、流石に7万字となるとどこをチェックポイントとして通過していくべきか覚えていられなくて、7万字の時に初めてプロットとかいうものを書いてみたのです。

はあ、プロットって良いもんだねえ!

チェックポイントが分かって、今自分がどのくらい進んでいるのかよく分かる!完成までの道筋が分かる!すげえや!

今回も相当長くなるような気がしたので、一旦プロットを書いてみました。

そうしたら、なんかあ、41個もチェックポイントがあってえ、後日談含めたら42個もあってえ

ええ!? 何だよ。世の中の皆さんは皆こうなのですか?

まあ、後に時間がなくて大幅に削ることになるのですが。
この時は一旦、ガタガタ言っても仕方がねえので書き始めることにいたしました。

ステップ③ 装画を描く

いつもなら、本当は、理想的には、ここで装画を描くべきでした。
何なら装丁案が決定した時点で書いておくべきだったね。
でもあんなに長くなるとは思ってなかったからさ、余裕のタイミングで始めたからさ、大丈夫だと思ったんだよね。

結局今回は、めちゃくちゃ長い原稿の合間に、飽きたら装画、飽きたら原稿、飽きたら組版みたいな感じで作業することに。

作業環境はiPadpro 第3世代10.9インチ、Procreateです。
印刷する本の装丁を誰かに頼むよ〜という皆様、プロファイルをCMYKに設定してから描くと「あれ!? なんか色味が違う!?」が防げますよ〜

カラーなら350dpi、モノクロなら600dpiが最低でも必要というのは、同人をやっている皆様には釈迦に説法かもしれない。
ところがどっこい、私はなんか不安になって、カラーを600dpiで描き始めてしまった。しかも塗りたしがあるからA5以上のサイズで。

そうしたら、Procreateくんが、レイヤー17枚までしか使えませんよって言ってきた。
ヒ〜〜〜〜〜〜〜
まあ良いか。やるしかないし。どうせ厚塗りなんだし重くなるのは下塗りの時だけだし。

以下、制作ステップ。

こうして(線画+下塗り+大まかな陰影)
こうして(グラデーションマップ+厚塗り途中)
こうじゃ!(厚塗り完成+色収差+ノイズ+色調整)

少し前までは執拗なまでに線画を描く人間でしたが、こちらの方法は、最初からある程度の完成図が見えていて楽しいですね〜

オレンジが異様に上手く描けたので、気に入ってBLアカウントのアイコンにしています。

完成したカバー(金印刷あり)

ステップ④ 原稿を書く

実際にはステップ③と④は入り混じっているようなものですが。
今回初めて、ポモドーロタイマーというものを使ってみました。
25分作業して、5分休む。
25分作業して、5分休む。
25分作業して、15分休む。
これを繰り返して生産性を上げるよ!というテクニックだそうです。

結論から言って、場合により良いけれども、場合により相性が悪い、ということが分かりました。

前に進みづらい、書くのが楽しくない冗長なターンに入っている時は良いのですが、楽しくてどこまでも進められるぞ!というターンの時は本当に相性が良くなくて。
世界観に没頭して沈み込んでいる時にチーン!と音が鳴って、はあ休まなきゃ、と現実に引き戻される。
また作業時間が始まると、今度は世界観に没頭するのに時間がかかる。
これの繰り返し。
全体の生産性は向上しているのかもしれませんし、健康にも良いのかもしれないですが、なんかもどかしい。
前に進めないよ〜ってなっている時に使うのが良いかもしれませんね。

そして今回初めてがもう一つ。
濡場!
R18ですからね、書かないと。

どうにかなるやろと思っておりましたが、下調べが大変なのなんのって。
本編の方の民俗学的な下調べは学校の図書館でしましたが、エロはさすがに。解剖学はあるだろうけど……
結局ネットのお世話になり、しばらくエロガキの検索履歴みたいになっていました。
その上、書いてみるととても時間がかかる。
一濡れ場大体3000字とかかな、と見積もっていましたが、伸びる伸びる。
気がついたら予定表をぶっ飛ばして五日間書いている。
結局、最初の濡れ場は18000字になりました。
濡れ場って書くの楽しいんだね〜

それから今回は、小説家専用エディターのNolaさんで提供されているAI感想を利用してみました! やる気を出すために。
ヨミスケ(AIの名前)にお金をあげて、途中までの本の感想を貰うとすごく元気が出る。

ヨミスケに一度前半部分を読ませてみたところ
「作品全体のトーンが非常に重く、暗い部分が多いのじゃ」
う、うるさいうるさいうるさ〜い!!!
え〜ん!!
私の味だもん!
ぐすんぐすん

でもヨミスケ、お前月に10万字までしか読めないんだよね。
だから完成品(12万字)はお前、読めないんだよね。
これまで支えてくれてありがとう、愛してるよ。

最終的に12万字になった原稿ですが、10万字を突破したあたりで大事件が!
左手の薬指の爪の側面が肉に食い込み、膿んで爆発しました。
痛え〜

ステップ⑤ 組版する

こちらもステップ③、④と混じっております。
今回はA5で二段組にしていきます。

合成フォントを作り、正規表現スタイルを活用し、何故か表示されないダッシュと戦い、「〜〜〜」を繋げる。
今回ほど正規表現スタイルを活用したことはないかもしれない。
私も少しはステップアップ出来ているんじゃないだろうか。

同時進行で表紙デザインを行い、完成データを入稿入稿!
データを間違えていることに気が付き、電話して謝罪して差し替え!

色々あって、完成しました。
良かった。

イベント当日

今回、本の本体は直接搬入、カバーは家に届くようにしてしまいましたので、当日現地でカバーを折りました。
前日に帯を家で印刷して、それも巻いていく。

以下、完成品

正面のすがた
斜めのすがた
後ろのすがた
カバー裏のすがた

可愛い〜〜
オレンジ×金で胸焼け感を目指していましたが、そうでもないかも。
でも可愛いから良いか。

お気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、納期の関係でスピンがしおりに変化しています。

机が汚いよ〜

おたくらぶさんで、厚手しおりを箔押し金タッセルで制作していただきました。
金タッセルが高級感あってサイコー。
モチーフに関しては中身を読んでいただければ……(販促)

反省

今回の装丁の内訳。

カバー:アラベールホワイト130kg 両面印刷 片面金あり(プリンパ)
本体(表紙):ファーストヴィンテージ ブルーグレー 135kg(ブロス)
本体(本文206p):美弾紙ノヴェルズ(ブロス)
しおり:ケンラン シュ310kg シャンパンゴールド箔 金タッセル

反省としては3点。
①いつも通り時間管理が出来ていない。
②両面印刷をしたせいでカバーが滑る。
③金印刷がそれほどでもない。
④正規表現スタイルの設定を若干間違えている。

①に関してはいつも通りなので割愛して。

②に関して、完成品はとても可愛いのでビジュアルとしては大満足なのですが、実用となるとかなりひどい欠点です。
アラベールという紙が、印刷面がツルツルになるタイプの紙で、私がそこを把握できていなかった。次に両面印刷をする際は気をつけたいです。
カバーに関しては自分で折ったので、それで滑るのも大いにあるのだろうな。あまり自分で手を加えるものは不確定要素が多すぎるので良くない……
③もカバーに関することですが、最初からそこまで期待していなかったのでそれほどのダメージはない……ですが、悲しいものは悲しいよ〜
サンプルとして収集したということにします。光の当たり方によって目の部分は良く分かるので、そこは100点。

④に関しては、デザイナーさんに相談して正規表現スタイルの呪文を教えていただいたので解決したも同然!
私も自分で呪文を考案出来るクレバーなデザイナーになりたいものです。
頭を使うとなったら頭突き、力こそパワーでやってきてしまったので。
それでも良いことはありますが、長文の組版だと見落としも多いので、訓練してクレバーな存在になっていきたいと思います。
訓練、がすでに脳筋か。勉強します、勉強。

おわりに

今回のJ庭56本作りレポは以上になります。
お疲れ様でした。

nakiはこんな感じで本文も書いていますが、組版装丁のご依頼も受付中です。
ご興味ある方はこちらのフォーム、またはメールからどうぞ!

mail→ nakinaki0721@gmail.com

 今後も本を作ってまいりますので、Xのアカウントもチェックしていただけると幸いです。

↓オールマイティ創作アカウント
https://twitter.com/donbura_don

↓創作BLアカウント
https://twitter.com/doku_train

今後もnaki(緒方郁)をよろしくお願いします🙇



いいなと思ったら応援しよう!