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エルデンリングで感じたフロムの限界

エルデンリング(以下エルデン)のメインストーリーをクリア目前まで進めて、色々感じたことがあるので適当に語る。
(※あくまでも個人が感じた意見です)


死にゲーの限界

まず、エルデンは面白いと思う。
だがプレイしてて徐々に感じる違和感。

もうフロムゲーの死にゲー、限界じゃね?

エルデンリング、という名前で新規IPという名目で作られた本作だが、やってることは実質ただのダークソウル4だ。システムはダクソからほぼ変わってない。
そしてダークソウル以外にも似たような死にゲーとしてデモンズソウル、ブラッドボーンも含めるとエルデンは実質6作品目のソウルシリーズと言える。

6作品目、となると当然ファン層はかなり手広になってくる。
最初は一部のマニアしかやらなかったこのシリーズも、いつしかライト層もプレイするようになった。

コアなゲーマーもライト層もやる。
これがフロムゲーを堕落させる要因となってしまうのではないだろうか。

元々人を選びまくるゲームだったのにライト層にもウケるようなシステムデザインになると、どうなってしまうのか?

80点を狙いに行った無難なゲームになってしまうのだ。

極端な例で言うとマリオのゲームみたいな感じだ。
マリオのゲームってどのゲームもある程度面白いが、「神ゲーだ!」と言える作品ってほぼ無いよね。
無難に面白いけど、ドハマリする要素はない。
これと同じことが遠からずエルデンにも起きていると感じた。

初心者救済システムによる弊害

エルデンは過去の作品に比べると簡単になった。
戦技・遺灰の登場だ。
簡単に言ってしまえば必殺技および、仲間の召喚である。

ぶっちゃけ、この戦技と遺灰を使えば本作は難しくない。
仲間を召喚して必殺技をぶっぱなせば良いのだから。
逆に言えば戦技・遺灰を縛ると過去作に比べあまりにも難しい。
これが足を引っ張ってると感してしまった。

本来、フロムゲーは地味なゲームなのだ。
攻撃を繰り広げてくるボスの攻撃パターンを学習して覚えて、わずかな隙を見つけ出し、少し攻撃して離れて、この作業を繰り返す。
地味だからこそ、良い。 そこが評価されてきた作品だった。

しかし戦技・遺灰があればわざわざこんなことをしなくても適当に強い技を出せば簡単にボスを倒せてしまう。

こんなのでフロムの死にゲーの魅力って伝わるのかな?

「じゃあ縛れば良いじゃん」、という話になるのだが、事は単純ではない。
戦技・遺灰が登場したことによって、当然それらの要素を使うことが前提の調整になってくる。

複数ボスなどが何回も出てくるので、仲間を召喚して多数VS多数に持ち込まざるをえない状況や、ボスの攻撃ターンがあまりにも長すぎるので仲間でターゲットを分散させなければ何もできない虚無の時間が長すぎる、などといった状況だ。
しかも今度はその仲間を潰すための広範囲の攻撃など、もうめちゃくちゃになってるな、と正直感じてしまった。

そもそも何十回と死にまくったら「もうだるいから戦技・遺灰使っちゃおう」っていう心理状態になってしまうので、縛れば良いなんていう話ではない。
戦技・遺灰を縛る状況がアホ臭くなってしまうのだ。

長く続きすぎたことによる弊害

エルデンは実質6作品目のソウルシリーズである。
ということは当然古参のファンも数は多い。

エルデンは死にゲーなので、今までの作品をプレイしてきた玄人ユーザーも苦戦するような難易度調整にしないといけない。

そうなってくると必然的に嫌らしい攻撃をしてくる敵を作らざるをえない状況になってしまう。


例としてエルデンのボスはとにかくディレイが多い。というかほぼ全員がこのディレイを使ってくる。
ディレイとは簡単に言うと攻撃のタイミングをずらし、回避を潰してくる行動のこと。

攻撃がきたと思ったらディレイで被弾。またディレイ。ディレイディレイ。
こういうボスががずっと出てくる。
ウンザリしてくる。またかよ、と。戦っていて気持ち良くない。

またあまりにも早いスピード、長すぎる連続攻撃。
同じフロムが作るSEKIROのシステムなら楽しいのだろうな、と感じるボスがたくさんいた。
敵はシリーズを経るごとにどんどん強化されていくのに、プレイヤーはほぼデモンズソウルから進化していない。

プレイヤー側が完全にインフレに取り残されているのである。
敵と自分の攻撃・回避のターン制が無いから敵側があまりにも有利すぎて理不尽さを産んでしまっていると感じた。

闘ってて楽しいボス、として作られたのではなく
どうすればプレイヤーが苦戦するか、を考えたボスが多い印象だった。

まとめ

ライトユーザーでも楽しめて、でも玄人ユーザーも苦戦するような調整にして……。
そしてさらに6作品目なので、何か目新しい要素も付け加えなければならない。結果として、戦技・遺灰の登場、しかしそれによりシステムがかみ合わなくなってきている。

前作のダークソウル3が戦っていて楽しい良調整のボスが凄く多かっただけに、エルデンのボスはダクソ3よりはワンランク下がるという印象だった。
だがダクソ3のボスがもし遺灰使用可能だったら?あまりにも簡単すぎる調整だろう。

もうフロムのソウルライク系死にゲーはシステムが限界まで来ているのではないだろうか?

6月発売予定のDLCの開発に二年半の年月を要している。
エルデンリングの次に出る新作の時間を稼いでいるのではないだろうか。

何となくだが、従来のソウルシリーズのような死にゲーは今作限りでもしかすると最後になるのかもしれない。
SEKIROやアーマードコアのような別の種類の死にゲーにシフトチェンジせざるをえない状態になってきたのではないだろうか。




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