Webライターにおける写経の価値とは?めんどくさいの先にあるのは快楽か?

よく一流と呼ばれるライターの方が、ライティングの上達方法を聞かれたときに「やっぱ写経だなぁ、最初の頃で何もわからないときは、とりあえず上手い人の文章を真似したわ」ということが多い。

絵描きなら模写、歌い手ならカバー(コピーなのか?)のように、文章を書く人なら写経が上達の近道と言われる。

ただし、僕は2021年からWebライターを始めて、今ではWebで商品を売るセールスライターという仕事をしているが、4年間で全くと言っていいほど写経をしたことがない。(ちょっとだけがんばろうとした時期はあるが…)

もちろん、本当にうまい人の文章や「この文章見たら商品欲しくなるなぁ!」と思うものはたくさんあるし、それらを何度も読み直したり分析したりすることは多い。

でも、写経までするのは正直めんどくさい。なぜなら写経をすすめられた場合、大半が「やっぱ紙にペンで書くのが大切だよ」とおすすめされるからだ。

想像がつくと思うが、パソコンを打つのに比べて、ペンで文章を書くのは10倍くらいの時間がかかる。文章が長くなればなるほど、10倍では済まないだろう。

何千字もの内容を写経しようと思ったら、平気で2時間くらいかかると思う。なんなら、頭を使いながら丁寧に書こうとすればもっとかかるかもしれない。

この労力の価値が本当にあるのだろうか?


多分きっとあるのだと思う。今までのことを考えると、文章が上手い人たちの8割くらいが写経をやったと言っていたから。

じゃあやれや。そう思うかもしれない。

その通りです。だから明日から写経を始めようと思います。

でもまぁ、ただ始めるだけじゃ面白くない。写経を始めるうえで、どんな風にやればいいのか調べてみた。

人間初めてやることには何らかの指針がないと、なかなかうまくできないものだから。

ちなみにGoogleで「写経 やり方」と検索したら、仏教の修行の方が出てきてしまった。

  • 呼吸を整えてから始める

  • 筆や半紙を用意する

  • おすすめは般若心経

これは求めている答えではない。ライターにとっては、ライティング技術を向上させるために意識すべきポイントなどを教えてほしい。

そこでもう少しライター向けの写経について調べてみた。その結果、重要なのは以下の1点だとわかった。

必ず手本の背景情報を分析する

例えば、誰もが学校で習う「走れメロス」を写経すると仮定しよう。(走れメロスがめちゃめちゃ重要な文章だと思ってほしい)

メロスは激怒した。必ず、かの邪智暴虐の王を除かなければならぬと決意した。メロスには政治がわからぬ。メロスは、村の牧人である。笛を吹き、羊と遊んで暮して来た。けれども邪悪に対しては、人一倍に敏感であった。

https://www.aozora.gr.jp/cards/000035/files/1567_14913.html

この場合、いきなり「メロスは激怒した。〜〜〜〜」と書き殴るのではなく、いったん流れを読み解いてみる。

  • なぜ「メロスは激怒した」から書いているのか

  • なぜ政治がわからないことを書く必要があったのか

  • これはいつの時代の話なのか

このように、ふと疑問に思ったことを言語化してみるのがいいようだ。ただ、決して正しい答えを出す必要はない。

自分の中で答えを出しつつ写経を進めることが大切というわけだ。

今回はわかりやすいように小説を題材にしたが、実際にライターが書く文章はもっと複雑で正解はわからないものばかりになる。

だから何度も写経することが大切なのだろう。

写経について調べてみて、自分の中でも「なぜ重要なのか」「どのようにやればいいのか」が少し見えてきた。

明日から新しい習慣として、さっそく始めてみます。

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