理想のチーム像、管理者の役割について

青学・原監督「管理職の仕事は管理じゃない」
常勝軍団を率いる名将が明かす人の育て方
2017年01月04日

「相談してくる人」に育てる

強いチームをつくるうえでの監督の役割についても、よく聞かれる質問です。

私の理想は、監督が指示を出さなくても部員それぞれがやるべきことを考えて、実行できるチームです。つまり、指示待ち集団ではなく、考える集団。言葉にするのは簡単ですが、考える集団をつくるには、土壌づくりと同様に時間が必要です。

私が最初に取り組んだのは、「相談できる人」に育てることです。相談するとはどういうことかを部員に教えることから始めました。

たとえば、選手が「足が痛いです」と私に言ってきたとします。それは相談ではなく報告です。だから私は、選手にこう問いかけます。「それで?」、続けて、「どこがいつから痛いの?」「治るまで1週間? 10日? 1カ月?」と質問を広げていきます。

さらに、「治るまで1カ月かかるなら、いつまでに治すように努力するの?」「それまでにできるトレーニングはA・B・Cがあるけど、どの方法でやってみたい?」と具体的にしていきます。

そして、「今回はトレーニングAにしたいと考えていますが、監督はどう思いますか?」と自分で答えを出すところまで求めます。そのとき、それが本当の相談であると部員に話してあげるようにしています。

メンバーが主体性を持ち、自ら考え、相談してくるようになると組織は強くなる。マネジャーは俯瞰し、変化を感じ取り、正しい方向へ導く役割。


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