食事は人生を変える/Kanekin
食事は人生を変える(自分史上最高のカラダになるためのフードハック術)/Kanekin
・body is a temple、みたいな物言いがあって、そういう考え方は、とても素敵だと思う。坊さんがお寺を掃除するように、自分の体を大切にしたい。
・ちょっと前に、実家で、上裸の状態の父親を見る機会があって、その時、肌の質感が、お爺さんじゃん、と思った。先日観た『Perfect Days』でも、役所広司が銭湯に入るシーンがあって、役所広司自体は、めちゃくちゃ格好いいんだけれども、胸〜腹にかけての質感はお爺さんぽくて、気を抜くと、我々は、お爺さんの質感になってしまうんだな、と感じた。
・その点、たまにテレビでみるボディビルダーの高齢者、とかは、そういった、お爺さんぽいたるみ、ゆるみ、老人斑みたいなものがなくて、立派だと思う。ただ、若いボディビルダーに比べると、表面の皮膚が乾燥しているというか、全体に、ささみジャーキーのような質感があって、それはそれで不自然なようにも思う。
・筋トレに没入している人、というのは、ポジティブな人が多い気がする。それはまさに、「健全な精神は健全な肉体に宿る」ということなのかもしれない。
・筋トレが一般的なレベルで流行り始めたのが自分が大学生くらいの頃だったと思うけれど、自分もダンベルを買って、せっせとトレーニングしていたものの、ちっともバルク・アップというか、腕が太くなったりはしなかった。それで、友達に、多分お前はハードゲイナー(hard gainer)なんだな、と言われて、それはすごく腑に落ちた。どれだけ頑張っても、マッスルをgain出来ない、ということ。ダンベルの上げ下げをしても、けして筋肉がつくわけではなく、疲れだけが蓄積する。岩を山の頂までせっせと運搬しても、結局岩は山を転がり落ちていく。シーシュポスの神話。それが俺にとっての筋トレだった。
・ボディビル界の風雲児、Kanekinの本というので、よく見る筋トレ人生指南みたいな、「筋肉がすべてを解決してくれる」みたいな話なのかな、と思いきや、work hard, see results、とか、trust the process、とか、非常にストイックなメッセージが多く、栄養学的が所がメインな内容も非常にrobustで(ダーティ・バルク、とか、良くわからない概念もあるけれど)、そういった意味では、感銘を受ける部分があった。やっぱり、どんな世界でも、第一人者の語る言葉というのには、なにかしら哲学があるなぁと思う。
・個人的には、栄養学というのは意外とないがしろにしていても(急性期の)日常診療は出来るものだと思うけれど、意外と外来診療などで患者さんの求めているものは、「食事のアドバイス」とか、「生活上気をつけること」レベルであることが多い。これを期に栄養学を今一度勉強しようという気持ちになれたので、読んで良かったなと思った。
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