tuburech

おすすめされた本・映画の感想を書きます。

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最近の記事

『わんだふるぷりきゅあ!ざ・むーびー! ドキドキ ゲームの世界で大冒険!』

娘が、TVでCMを見て、プリキュアの映画を観たいなぁ…と言っていて、観に行ってくればいいじゃない…と思っていたのだけれど、嫁に促されて、娘と二人で一観に行った。 常々、子供の付き合いで『クレヨンしんちゃん』とか、『名探偵コナン』の映画を観る、みたいなのは、俺は、御免こうむりたい…とは思っていたけれど、そういった、自分のcomfort zoneを出た、新たな体験からしか得られない教訓のようなものがあるのかもしれない…という期待もあったと言える。 前シリーズ(っていうのか?)

    • 『騎士団長殺し』/村上春樹

      ・2017年なので7年前、個人的にも何かと忙しかった頃、ザーッとひと思いに読んで、深夜の2時くらいに読み終わって、何がなんだか分かんねぇ話だな、と思って、それから7年間一度も読まなかった。(今回、夏休みに読み返してみた) ・高校生の時に『海辺のカフカ』や『ねじまき鳥クロニクル』を繰り返し読んでいた時のようにはのめり込めなかったんだけれど、一つには、登場人物に、今ひとつ共感出来なかったというのが大きかったように思う。主人公も、どういう見かけなのか(不思議と)想像しづらい所があ

      • 『幸福について 人生論』/ショーペンハウアー

        『幸福について 人生論』/ショーペンハウアー ・知り合いが、高校生時代から、何度も読み返してきた…というので、(表紙も爽やかだし)アドラーというか、『嫌われる勇気』みたいな本なのかな…と思いきや、非常に読みづらい一冊で、とても時間がかかった。 ・同じ時期に、他の人に勧められたマルクス・アウレリウスの『自省録』を読んでいて、なんか、良いこと言ってそうな感じがするんだけれども、たまに、「ウズラを飼ってはならない」みたいな、謎めいた警句があったりして、こういう、古い警句録みたい

        • 『道』(1954)

          フェリーニ繋がりで、久しぶりに観た。 思えば、『道』は、親父の人生ベスト・ムービー的な存在で、実家にDVDが置いてあった思い出がある。幼少の頃はすすんで見ようという気にならず、なんなら、親父と一緒に1回くらい観たのかもしれないけど、あんまり記憶にない。大学生になって1回観た時は、なんか、辛気臭い話だな、という印象しかなった。 数年の時を経て観ると、やっぱ、いい映画だな、と思った。 何が良いといって、一つには、曲芸師が、ジェルソミーナを励ますために語るシーンが、ハッとする

        『わんだふるぷりきゅあ!ざ・むーびー! ドキドキ ゲームの世界で大冒険!』

          『カビリアの夜』(1957)

          すごい映画だと思った。 主人公 カビリア(ジュリエッタ・マシーナ)は、ローマの外れの、荒野みたいな所のあばらやに住まう娼婦であり、冒頭では悪い男に騙され、川に突き落とされる。地域住民に救われて一命をとりとめるんだけれど、ちっとも感謝することなく、憤然として家に帰り、男の写真を燃やして泣き崩れる。現代で言う所の、ボーダーラインというか、恋愛体質というか、なんとも情緒不安定な人だ。ただ、泣きながら(猫とか、犬とかでなく)鶏を抱きしめる姿に、なんともいえない愛おしさを感じる。

          『カビリアの夜』(1957)

          『テオレマ』(1968)

          夏祭りみたいなのがあった。どんなもんかと思って、厳しい日差しの中を、神社を目指して歩いていると、ものすごい人がごった返していて、そこらここらで、老若男女が、段差とかに腰掛けて焼きそばとかを啜っている姿は、なにか、曰く言い難いものがあるというか、退廃の街というか、(観たことないけど)『ソドムの市』って感じだな、と思った。 ソドムの市。ソドムの市かぁ…と思いながら家に帰って、画像検索すると、全然イメージしてたのと違ったものの、そういえばパゾリーニの映画って観たことがないな、と思

          『テオレマ』(1968)

          「さみしい夜にはペンを持て」/古賀史健

          「さみしい夜にはペンを持て」/古賀史健 尊敬している同僚が絶賛していたので、読んでみました。 苛められっ子のタコジローの姿に、身につまされるものがありました。自分も、中学生の頃は、片田舎の進学校で、人間関係に思い悩み、また、学園生活というのには、逃げ場のない閉塞感があって、タコジロー同様、鬱屈とした日々を過ごしていたのを思い出しました。 そういった、(多分)中〜高校生独特の閉塞感、苦手な人物とも、日々関わることを要求され、うまくやることを期待される状態、そしてそこでうま

          「さみしい夜にはペンを持て」/古賀史健

          「音楽とデザインの幸福なコラボレーション」 村上春樹さん×村井康司さん

          昨日、村上春樹さん(以下、春樹)のトークショーに行ってきました。 春樹は、中高時代から個人的なヒーローの一人です。 ただ、たまにニュースとかで見て、おっ、春樹が出とるねぇ!とか思うことはあっても、まぁ、生で見れるタイミングとかはないんだろうなぁ…と思っていました。そんな中、職場の同僚から、早稲田大学を中心に、時折行われている講演会とか、トークショーの存在を教えて頂き、まぁ、とはいえ、応募しても当選しないんだろうな、と思っていたら、まさかの当選の知らせがあり、万難を排して、

          「音楽とデザインの幸福なコラボレーション」 村上春樹さん×村井康司さん

          『グレイテスト・ショーマン』(2017)

          大学生の頃、実家に帰った時に、姉貴に誘われて映画館で『レ・ミゼラブル』を観たことがある。ミュージカル映画、みたいなのをあんまり観たことがなくて、最初は、アン・ハサウェイって、ホント、美人だなぁ…と思いながら観ていたんだけれども、だんだん、ヒュー・ジャックマンというか、ジャン・バルジャンが、物悲しい顔で、何の前触れもなく歌を歌い始めるのがツボにハマってきて、そもそもジャン・バルジャンってなんだよ、みたいな気持ちになり、笑いを堪えられなくなって、姉貴共々、ずっと涙を流して笑いなが

          『グレイテスト・ショーマン』(2017)

          『オッペンハイマー』(2023)

          研修医1年目の時に、無口な上司と福岡に学会発表旅行に行ったことがあった。夜は完全に別行動だったので、思い切って、博多のビルの映画館で、『インターステラー』を観た。 映画を観ている間中、BGMの使い方というか、その音量の大きさというか、マシュー・マコノヒーの顔の、恐ろしいほどのシリアスさに圧倒というか、圧迫されるような感覚を味わうこととなった。 と同時に、主人公が宇宙に放り出される瞬間の圧倒的な孤独感とか、不安感に、働き始めたばかりの、(無口な上司との学会旅行を余儀なくされ

          『オッペンハイマー』(2023)

          『ミツバチのささやき』(1973)

          子どもの頃は、愛媛の山奥に住んでいたので、10分も歩くと、ベトナムの農村地みたいな風景が広がっていたり、汚い池があったり、用途不明の沼があったりした。夜の散歩ということで、一人でその沼付近に行ったりすると、なにか、netherworld的なものの入り口に立っているような気がしたものだ。 なので、子供時代というのはそういうもんなんだ、というような考えが自分の中にあって、現状の生活で、自分の娘に、そういう感覚を味あわせてあげられているだろうか?ということは、考えてしまう。どこと

          『ミツバチのささやき』(1973)

          食事は人生を変える/Kanekin

          食事は人生を変える(自分史上最高のカラダになるためのフードハック術)/Kanekin ・body is a temple、みたいな物言いがあって、そういう考え方は、とても素敵だと思う。坊さんがお寺を掃除するように、自分の体を大切にしたい。 ・ちょっと前に、実家で、上裸の状態の父親を見る機会があって、その時、肌の質感が、お爺さんじゃん、と思った。先日観た『Perfect Days』でも、役所広司が銭湯に入るシーンがあって、役所広司自体は、めちゃくちゃ格好いいんだけれども、胸

          食事は人生を変える/Kanekin

          『PERFECT DAYS』(2023)

          大学時代の友達が絶賛していたので、『オッペンハイマー』と迷ったけど、観てみた。ヴィム・ヴェンダースは『パリ、テキサス』とか好きだし、Slice of Life的な映画というか、ジム・ジャームッシュの『パターソン』っぽい、みたいな話もあって(『パターソン』自体、可愛らしい映画だな、くらいの感想しかなかったけれども)、『オッペンハイマー』は、多分、暗い気持ちになるんだろうし、対して、『Perfect Days』は、キャッチコピーは「こんなふうに、生きていけたなら」だし、5月病を先

          『PERFECT DAYS』(2023)

          「モモ」/ミヒャエル・エンデ

          数年前から、「人心が、荒廃している」…と感じる事が多くあります。 特にそれを実感するのが、X(旧Twitter)の「おすすめ(For You)」の項です。 自分は、大学生の頃からTwitterのアカウントを持っていましたが、当時は、友達が、「今起きた」とか、「飯食った」とか呟くのを見て、おぉ、そうか…と思うだけ、という非常に小規模なものでした。ただ、それによって、生きることの孤独感がまぎれる、というような効能があるような気がしていて、こりゃ、画期的なSNSやがな…と思って

          「モモ」/ミヒャエル・エンデ

          「DIE WITH ZERO」/ビル・パーキンス

          「DIE WITH ZERO -人生が豊かになりすぎる究極のルール-」/ビル・パーキンス これも、『苦しかった時の話をしようか』をお勧めしてくれた後輩が、研修医時代の苦しい時期に買って読んで、奮い立った一冊、みたいなことで挙げてくれました。 そういった事は自分にもあり、研修医時代、いろんな要因で鬱状態に陥っている時に、このままではいけない、と思い、なんらか救いを求めて、『GRIT -やり抜く力-』という本を買って読んだことがあります。 「やり抜く力が、成功するためには大

          「DIE WITH ZERO」/ビル・パーキンス

          『レナードの朝』(1991)

          『レナードの朝』 大学生の頃から、何度か観ようかな、と思って、医療モノか〜とスルーしていたのですが、今回お勧めを頂いて見ました。 個人的な人生ベスト映画の一本が『グッド・ウィル・ハンティング〜旅立ち〜』なのですが、そこでのロビン・ウィリアムスの演技が好きで、『レナードの朝』でも、なんか眩しそうな表情をするところとか、神経質そうに顎を触る所とか、作り笑いっぽくニカッ!と笑ってすぐ真顔に戻る所とか、どことなく『ウィル・ハンティング』のショーン先生に通ずる所があり、古い知り合い

          『レナードの朝』(1991)