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雪の降る前に

 晩秋の森を歩くのが好きだ。雪景色になる前に、秋の最後を見に行く。

 木の葉が落ちて、薮もなくなった山は木々の姿が奥まで見通せる。
 
 川は凍り始めている。


 無数の枝が重なって、それぞれの線が絡み合い、どこまでも続く。

 刺激的な色彩はないが、しずかな褐色は微妙で豊かだ。

 眩暈のするような深みに、歩きながら螺旋に堕ちていける。 

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