AI を業務の中で活用するのは簡単ではない (その障壁を乗り越えるには?)
ITリーダーの皆様、例えばAIや機械学習、データサイエンス、IoTなどの先進技術を自社の経営に活用しようと試みた際、何らかの困難に直面したご経験があるのではないでしょうか。
運用を定着させるために、まずどこから着手したら良いのか検討を付けることがまず簡単ではありません。ガートナー社の調査によると、AIモデルを実際に活用できている企業はわずか8%しかありません。
しかし、その8%に入るのは不可能ではありません。さらに言うと、AI/機械学習を経営に活用することで得られるメリットは非常に大きく、活用に向けての努力は報われるはずです。そのために大事なのは、自身と先人の失敗談に真摯に耳を傾けることです。
本記事では、DomoのMasaから、AIを業務の中で活用するために乗り越えなければならない障壁についてご紹介します。
1. 最先端BIツールの重要性
Domo(ドーモ)社は”modern BI”についての議論や定義に多くの時間を掛けてきましたが、そこには大きな理由があります。現場メンバーへリアルタイム・データを提供し、イノベーションを促進し、より的確な意思決定を実現し、困難な課題をより多くかつ迅速に解決することにつながる、データ・ドリブン・アプローチを可能にするものであるという事から、近年のデジタル・トランスフォーメーションの流れの中で大変注目されております。
現代の企業競争下では、うまく行っていない戦略や戦術を修正するために次のレビューサイクルまで一月や一週間も待つ余裕などありません。
迅速な意思決定が求められる環境であるからこそ、ソリューションも困難になってきています。そしてITリーダーには、最前線の現場メンバーに必要なデータを提供しなければならない、という重い責任も掛かってきます。
では、”modern BI”をフル活用してAI/機械学習モデル導入のためのチャレンジはどの様に乗り越えられるでしょうか。まずは導入が難しい理由3点に着目してみます。
1-1. 業務プロセスが違う
AI/機械学習をビジネスで活用すると言うコンセプト自体は新しいものではありませんが、イノベーションに活用することやモデルをビジネスプロセスに組み込むことは比較的新しい内容です。そして残念ながら、AI/機械学習の課題に対しては従来の開発プロセスを単純に適用する訳にはいきません。
AI開発プロセスの特徴的な事を一つ挙げるとすると、反復が必要という点があります。データ品質やデータ量、学習データ・モデル・インタフェースデータ間の内部関連性などに関して高いレベルが求められ、壮健、スケーラブルでかつ実用可能なモデルを構築するためには反復プロセスが大変重要になります。
ところがその様な考え方を受け入れるのは簡単ではありません。多くのIT組織は効率性を求められています。その中で反復を重視することは従来の考え方に反するものと捉えられてしまうかもしれません。
1-2. プロセスの中の各ステップは必ずしも整理されたものではない
近代的な開発プロセスでは、アジャイル開発から本番導入までその手順は細かく定義され、実行されていきます。
それに対してAI/機械学習開発プロセスでは、以下の5要素が従来の開発プロセスよりも多面的であり、より高度なスキルが要求されます。
達成したい事が明確になっていること
データが十分にあること(AI/機械学習では従来の開発よりも格段に多くが必要)
モデルで試行する意思があり可能であること
選定したモデルを利用者(現場のメンバー)が納得する形で提供すること
品質向上のために継続モニタリングすること
さらに難しいことに、AI/機械学習開発プロセスは一連の手順が決まっているものではなく、予測可能なものではありません。一つプロセスを完了した段階でデータに関して新しい発見があり、その内容を踏まえてもう一度始めからやり直すことも多くあります。
各ステップは独立したものではなく、全体がシームレスに機能するために相互関連しているコンポーネントとして扱う必要があります。
1-3. 複数のチームが関与しており、足並みを揃える必要がある
重要な5要素の一つに上げた様に、達成したい事を明確にすることは大変重要です。ビジネス課題の定義から始め、そのゴールに向かっていることを定期的に確認する必要があります。
しかし、課題は共有されていたとしても、全員が歩調を合わせいるかは確約できるものではありません。ビジネスチーム・ITチーム・分析チームぞれぞれのアプローチは違うかもしれません。そしておそらく、それぞれで異なるシステムやツールを使用しており、その為に全体プロセスを一気通貫で管理することが難しい状況にあるかもしれません。
AI/機械学習のビジネス定着化プロセスは単なる技術的な問題ではなく、組織・プロセス・戦略的なものである、ということを改めて認識する必要があります。そしてまたそれらのレイヤー下に存在するデータは、サイロ化・埋没・乱雑・欠損などの課題がある事でしょう。
2. 障壁を破る為に必要なこと
AI/機械学習をビジネス定着させる為の課題は存在しますが、よく理解し、適切なツールと方法論を導入することで乗り越えられられないものではありません。
Domoプラットフォームなどは、AI/機械学習のビジネス活用が難しいとされる領域で大変優れた機能を有しています。”Modern BI”としての機能に加え、機械学習機能やAutoML機能まで利用可能であることから、上記で触れた導入時の難点3つの解消に有効であるだけでなく、優秀な人材をより興味深くビジネス価値の高いプロジェクトに注力させる事ができます。
さらに、AI/機械学習の導入・定着化において重要な5要素(ビジネス課題の定義、データの集約、モデル開発、結果の可視化、運用定着化)をサポートするため、以下のケーパビリティがあります。
・モデル管理の推進: 時間が経過するに伴い本番モデルの精度が落ちてきている事をユーザに知らせるため、データサイエンティストはアラートを設定することができます。ビジネス価値やインサイトをもたらすモデルを適切に活用するためには、そのモデルのパフォ−マンスや有効性を監視することは大変重要です。その為に、自動アラート検知、通知、調整可能な閾値設定などのソリューションを活用できます。
・データ準備やプロファイリングの民主化: パフォーマンスの高い持続可能なソリューションを実現するには、スピード、規模、および制御が重要となります。例えばデータ準備や探索、データプロファイリング、柔軟性のあるデータ結合など、データパイプラインや複雑なワークフローを自動化・整理する機能は、ビジネスユーザにとって大変有効なものとなります。これにより、データ・ライフサイクルが加速され、運用モデルの価値実現までの時間を短縮することができます。
・データサイエンス・機械学習プロセスとの親和性: PythonやRのコードを直接データプラットフォーム/モデルパイプラインに設定し、複雑なアルゴリズムをビジネス関係者にオープンにすると同時に、データ列レベルの権限・ガバナンス管理も可能です。サードパーティーツールは必要ありません。これによりモデルのパフォーマンス管理、詳細説明、原因結果分析、等をシームレスに管理でき可視化可能となります。
・強力な自動化機能: 最適解が見付かるまで、自動的に機械学習モデルの生成・テストを実施することが可能です。信頼性の高い回答を検討するためのラピッドプロトタイピングにも活用できますし、本番データを利用した感度分析も実現可能です。
3. さいごに
今回はAIを業務の中で活用するために乗り越えなければならない障壁についてご紹介しました。
これまで、いくつかブログ記事(下記参照)書いてきましたが、今年はデータサイエンス・AI/機械学習系にフォーカスして記事を書いていこうと思います!
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