Notesアプリケーションのモバイル対応(HCL Nomad Mobile導入編)
Notesアプリケーションをスマホやタブレットなどでも利用したい場合、最も簡単で効果的な方法は、「HCL Nomad Mobile」(以下「Nomad」)を利用することです。
HCL Nomad Mobileとは
Nomadはモバイルアプリ版のNotesクライアントであり、以下のような特徴があります。
既存のNotesアプリケーションがそのまま利用できる
(一部機能制限あり)Notesアプリケーションの開発スキルでモバイルアプリが構築可能
別途ライセンス契約などは不要
モバイル端末にインストールしてログインするだけで利用可能
(環境が揃っている場合)
Nomad の登場前は、Notesアプリケーションのモバイル対応には、XPagesなどを利用してモバイル向けのWeb画面を構築する必要があり、導入までには時間やコスト、技術者にはモバイル向けのWeb開発スキルが求められるなど、導入のハードルは高いものでした。
しかし、HCL Nomad Mobileの登場により、それらの問題は解決されたといえるでしょう。
※Nomadの旧名称は「Domino Mobile Apps」
※似た名称の製品に「HCL Nomad Web」がありますが、混同しやすいので注意してください。
導入までの流れ
IDボールトの構築(推奨)
Nomadで利用するユーザーIDについては、IDボールトで管理されていることが推奨されています。IDボールトの導入は必須ではありませんが、導入しない場合、Nomadのセットアップや運用後のIDファイルの管理の手間がかなり増加します。
また、HCL VerseなどのNotes/Dominoの関連製品を利用する上でも必要となるケースが多い為、もしIDボールトを構築されていない場合は、この機会に導入しておくとよいでしょう。
ネットワーク環境の確認(Wi-Fi、VPNなど)
スマホやタブレットなどのモバイル端末は、基本的にWi-Fiなどの無線環境でDominoサーバーへアクセスできる必要があります。社内環境で利用する場合や既に社外環境からDominoサーバーへ接続して業務を行われている場合は特に問題はないかと思います。
現状、社外環境からDominoサーバーへ接続する手段がない場合は、VPNを導入して社外から社内ネットワークへアクセスさせるなど、ネットワーク環境の担当者と検討が必要です。
Nomadのセットアップ
iPad/iPhoneの場合は「App Store」、Android端末の場合は「Google Play」からNomadをインストールします。Nomadを起動すると、セットアップが始まります。
セットアップに必要な情報は以下の通りです。
ユーザー名
サーバー名
サーバーアドレス(IPアドレス)
正しくサーバーへ接続ができると、ユーザーIDに対するパスワードの入力が求められるのでログインします。これで、セットアップは完了です。
※もしIDボールトでIDファイルが管理されていない場合は、事前に利用者のIDファイルを対象のモバイル端末に配置し、そのIDファイルを利用してセットアップを進める必要があります。
導入後の対応
Nomadのセットアップが完了すれば、その瞬間からモバイル端末でNotesアプリケーションを利用することが可能になります。
しかし、それだけで終わってしまうと、Nomadのデフォルトの仕様や既存アプリケーションの操作性が悪いなど、ユーザーからの不満の声が上がることでしょう。
その為、導入後はユーザーがより快適にNomadで業務ができるように、以下のような対応を実施するとよいでしょう。
管理ツールの導入(MarvelClient Essentials)
Nomadの制限事項に対する対応
操作性の向上の為、画面レイアウトのモバイル対応
モバイル端末の機能を活かしたアプリケーションの構築
これらの詳細については、また次回!