モスコミュール~麺大盛無料ですが、いかがいたしますか?~
モスコミュールとは
モスクワのロバの蹴り(のようなカクテル)→モスクワのミュール→モスコミュール
レシピはウォッカベースにジンジャエールとライムです。
居酒屋でも定番のモスコミュール。私は、居酒屋ではよく頼むけど、Barではあまり頼みません。
モスコミュールの誕生には諸説あるが、銅製のマグカップに在庫過多のウォッカ(スミノフ社製)を入れ、辛口のジンジャエール(ウィルキンソン)で割るのがオーセンティックかと思います。
銅製のマグカップ
まずはマグカップであるが、確かに銅による唇の感覚は、その熱伝導率により夏の暑い日にはキリッとした感覚を与え、それはそれでいい。
スタバではショートで長居する
ただし、コップ自体の高さが低くなるので、内容量があきらかに減るのだ。
マグカップではなく、細身の銅製グラスを使った店も同様に、中身が明らかに少ない。
商品の内訳のほとんどが、家賃と人件費であるのだから、飲み物は出来るだけグランデで注文するべきである。
カジュアル≠きちんとしていない
次にスミノフウォッカに関してだが、不良在庫をアレンジし、新しい価値を生み出す行為は、プレゼンテーションとして素晴らしい発想だと思う。
しかし僕は、だからそこ雑多な居酒屋で気兼ねなく注文するラフさこそが、モスコミュールをモスコミュールたらしめているようにも感じているのだ。
楽しむことを考えた時に、正しさが野暮になる場合もあるのだ。
NOと言えない日本人
Barでモスコミュールを注文すると、大概のバーテンダーは質問をしてくる。
「辛口でよろしいですか?」
NOと言えない日本人の僕は当然、「お願いします。」としか言えない。
本当は、ドライなジンジャエールはまるで「ひやしあめ」のようであまり好きではない。
でも「僕は甘いのが好きです。」ってなんか子供っぽくてカッコ悪いんじゃないかと思って言えない。
ラーメン屋のランチなどでも「麺大盛無料ですが…」と言われたら、ケチな性格と見栄から大盛を断ることが出来ない。
好きなものを飲めばいい
本来であれば、お客様の一番おいしいと思う飲み方が正解とも言われるし、現在においてはオーセンティックバーでカルーアミルクを注文できるぐらいの図太さを身に付けた。
最初は他人からの評価という見えないものに苦労するかもしれないが、店によって個性が出やすいので、複数店舗を比較する場合にはぜひモスコミュールを頼んでみてほしい。