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 東京では、ちょうどいま桜の見頃だろうか。

 僕は一昨日、目黒川の桜を見に行く機会があった。昼の明るい時間でもなく、夜桜でもなく、夕方のやや暗くなりつつある微妙な時間ではあったが、多くの人に被写体にされる桜はどこか誇らしげで、光線の暗さを感じさせない強さがあった。

 桜って花はずいぶん不思議なものだと思う。もちろん美しいものが好きという当然の真理はあるだろうが、特別花が派手なわけでもなく、色がはっきりしているわけでもなく、小さくて淡い花が咲き誇っているのを美しいと感じるのだ。それが日本人と言ってしまえばそれまでであるが、中国から桜が輸入されてから1000年以上は春の象徴であり、花見の象徴であり続けるのは、昔から日本人って変わらないんだなぁという気持ちになる。

 桜はまた、生死の象徴なのかもしれない。

 桜はほぼ一斉に咲き始め、2週間ほどで散ってしまう。桜の木自体はかなり長寿のはずだが、風で花が散るのもまた儚いと感じ、死生観に想いを馳せることもできるだろう。

 来年も平和な気持ちで桜を眺める日が来ますように。

ではでは

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