M&A婚活短編小説 第14話 クロージング
この小説はエロ系趣味小説です。苦手な方にはごめんなさい🙇最終回です♫
結婚式の前日。
先日、講師から割引チケットとともに受け取った『結婚式虎の巻』を読みながらベットでうとうとしていた。
そして、ついに結婚式当日。
M&Aでいうクロージングだ。
私は真っ白なドレスをまとい、友人たちが見守るバージンロードを父と一緒にゆっくりと歩いていく。
次いで、彼が私の手を取る。
神父が彼に語り掛ける。
「あなたは、婚約のときに一生妻を大事にすると誓いました。その言葉は間違っていないと、ここに表明保証しますか?」
たしかに、M&Aでは最終契約では、相手に説明した内容や約束したことが嘘や間違いではないと表明し保証する必要があると言っていたわ。
講師の授業、結婚式でも役に立つのね。
そして、神父は私にも同じように質問をする。
「……はい、表明保証します」
しかし、私に対しての質問はこれだけでは終わらなかった。
「表明保証に違反すると、補償責任が生じますよ?本当に表明保証しますか?」
何よ、この神父さん。結婚するんだもん。きっちり表明するわよ。
「スリーサイズ鯖よんでいないと表明できますか?宣言通り毎日セックスすると誓いますか?」
「はあ?いったい何を……」
いくら何でも、おかしいでしょ、こんな神父。
……いや、よくみると……
この神父は偽物だ!
神父と思っていた人の顔をマジマジと確認すると、そこにいるのはあのときの講師じゃん!
そして、講師がニヤッと笑って追求してくる!
「表明保証、誓約、できますか!?」
……
……
…
――ちゅん、ちゅん。
……朝かぁ。
夢だったんだ……ひどい夢ね。
寝る前に、あの講師にもらった『虎の巻』なんか読んだから、変な夢みちゃったんだわ。
まったくもう。
でも……
私は、隣でまだスヤスヤ寝息を立てているかわいい顔の近くにすり寄ると、小さな声で囁いた。
「はい、表明保証し、誓います……」
<完>
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