ワインくんの物語【バトンリレー企画】
【バトンリレー企画 2022】~心に残るあのエピソードをあなたへ~という企画のバトンを、光栄にもいただくことができました。
私でいいのか不安でいっぱいですが、精いっぱい書いてみたいと思います。
(長くなってしまいすみません💦)
シャトー・ムートン・ロートシルトのエピソード
以前もこのワインの話題をコラムで記事にしたことがありますが、私はこのエピソードが大好きなので、今回もこれをお届けしようと思います。
(ほぼWiki情報をもとにしていますのでご了承くださいm(__)m)
世界で最も有名なワインの産地はフランスのボルドーとブルゴーニュ。
ボルドー地域には、格付け第1級の5大シャトー(ブドウ園)があります。
シャトー・ラフィット・ロスチャイルド
シャトー・ラトゥール
シャトー・オー・ブリオン
シャトー・ムートン・ロートシルド(ロスチャイルド)
シャトー・マルゴー
今回は、そのうちの一つ、シャトー・ムートン・ロートシルトのお話です。
そして、このお話には、かの有名なロスチャイルド家が関係します。
ロスチャイルド家
5大ワインの名前を見ると、ふたつに「ロスチャイルド」の文字。
そのルーツは、現在ではRothschild & Coで有名なロスチャイルド家の祖先とつながります。
ロスチャイルド家は1760年代にマイヤー氏が銀行業を確立し飛躍。
その子供たち5人に、ロンドン、パリ、フランクフルト、ウィーン、ナポリの事業を託します。(現存するのはロンドン・パリの2家のみ)
ロンドンは『ネイサン』、パリは『ジェイムズ』が任されました。
そしてネイサンの息子『ナサニエル』が、パリのジェイムズの娘婿に入り、一緒に銀行で働きました。
シャトームートン買収とワイン格付け(ナサニエルと叔父ジェイムズ編)
ナサニエルは、1853年にシャトーを買収します。
これが、のちのシャトー・ムートンです。
しかし、買収直後の1855年に悲しい出来事が……
ナポレオン3世の命により、ボルドーワインに格付けがなされたのですが……
ムートンは『第2級』に格付けされてしまいました。
しかも、その後に、叔父であり義父のジェイムズが、1868年に第1級のシャトー・ラフィットを競売で買収しちゃいました。
こうして、ロスチャイルド家の傘下で長年、2つの有名シャトーが互いに対立する運命となってしまったのです……
ムートンの挽回(フィリップの活躍)
ナサニエルの子供たちはワイン事業に積極的ではなかったようでシャトー・ムートンは放置されていました。
ところが、ナサニエルの曾孫『フィリップ』がシャトーの牧歌的な光景に心惹かれ、1922年に当時荒廃していたシャトー・ムートンの経営改革に挑み始めます。
従業員との信頼を少しづつ築き、シャトーでの瓶詰まで一貫製法を実現さえ、ラベルを有名画家に書かせるなど、改革を実現していきます。
第二次大戦では大きな苦難がありつつも乗り越え、格付け第1級に昇格できるようロビー活動を続けました。
そして、長い活動の結果、1973年についに第1級シャトーに格上げされたのです。
1855年以降、1級に昇格できたシャトーはムートンだけ。
まさに、歴史的快挙となりました。
めでたし、めでたし♫
M&Aの視点で見てみると……
1853年にナサニエルが買収したときの価格は117.5万フラン。
とあるネット情報によると、当時の1フランは500円~1000円くらいとのことで、現代価格『10億円前後』と相当大きな買収でした。
迫る1855年の格付けで第1級を取れると考えて2年前に買収したナサニエル。
狙いは良かったのですが、ふたを開けると格付け1級になれないというリスクが実現してしまいました。
DDやPMIが十分でなかったのかもしれません。
でも、その後も苦労の連続でしたが、シャトーを信じ続け苦難を乗り越えることで、100年を越えてついに第1級に登り詰め、その価値を何百倍にも膨らませることができました。
努力は報われる、素敵なエピソードですね(^^♪
おまけ
と、このままでは、普段接することがない超高級ワインの話で終わってしまいますね……それじゃつまらないので、ショートショートのオマケです♫
ムートンの1/100の価格でも、ワインは楽しめますよ~という私=庶民のエピソードです。
【ショートショート】ワインくんの挑戦
(409文字:キャプション除く)
ワインくんはいつも最高のコストパフォーマンスでお客さんの笑顔を引き出していました。
でも最近、このままでいいのか不安になることがあります。
「ムートンみたいな立派なワインになりたいな……」
すると、どこからか声が聞こえてきました。
『君は君の得意な分野で工夫をすればいいと思うよ』
その声を聴いたワインくんは、自分は手軽さと異業種協業が得意だと考え、ガーデンサラダに声を掛けました。
「君を買収したいんだ。そして、ぼくといっしょに新しいランチセットを作らないか」
「面白いけど、そんなことできるの?」
「ああ。もっと仲間を集めればね」
そして、セットプチフォッカ、プロシュート、ペコリーノ・ロマーノにも声をかけました。
みんなが集まると、それぞれの良いところをうまく掛け合わせて、二つのメニューを作り出しました。
生ハムチーズサラダと、生ハムトマトオープンサンド。
こうして、ワインくんは、ワインと料理の両方の価値を高めることに成功しました。
おしまい(^^♪
御礼
バトンをくださったのは、まいまいままさんです。
いつもご家庭の話題や奮闘記を、楽しく可愛くクスッと笑えるエッセイにしてくださります。
文章力・表現力が非常に豊かで、クスッどころが爆笑してしまいます。
毎朝楽しみにしています(^^♪
ご要望はエッセイ……えっと、エッセイになってましたでしょうか💦
チェーンナーさん、初めまして。
初めましてのごあいさつを兼ねて、バトンを戻させていただきますね。
このような機会をくださりありがとうございました(^^♪