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まったりM&A現場閑話★セブン&ⅰに学ぼうPart.4(シナジー)

Part.3はこちら

前回Part.3で創業家の9兆円MBOがかなり無理筋であることを開設し、
「企業価値を吊り上げることでACT社を離脱させる作戦?もしくは最終的にACT社に高値掴みさせて儲けるため?」
ということで、成立しないチキンレースになるのではないかなとも書いていたのですが……

チキンはどっちだ?

ということで、やはりチキンは創業家でした。

要因は簡単で、動機が不純!だからシナジーも描けない!
(不純な異性交遊は好きですが、不純なM&Aは害でしかないですね💦)

  • カナダATC社に買われたくないから創業家がコンソーシアム(伊藤忠、外資PEファンド+銀行融資団)を組んでMBOで対抗

  • しかし、シナジー創出要素が一つも出てこず、9兆円もの回収を描けず(推測)

  • シナジーの観点では唯一可能性があったのは、ファミリーマートやグローバルチャネルを持つ商社の伊藤忠だが、結局シナジー見出せず離脱(最初から無理ゲーと思いつつお付き合いしてた?)

シナジーが無かった?

ワンチャンあるとすればファミマとセブンのシナジーではあったのですが……

まあ日本の飽和市場での国内二強同士ですので、商品ラインも開発も物流も店舗もなにもかもが重複していますので、シナジーというよりディスシナジーにしかならなかったのかもしれませんね。

独禁法も?

さらに、日本国内売り上げトップ3を見てみると、

  • セブン-イレブン5兆3452億円

  • ファミリーマート3兆692億円

  • ローソン2兆4162億円

です。セブンとファミマが連携したら圧倒的な寡占状態に。
独禁法的にも何らかの論争が起こりそうですね。(どまんだの勝手な推察です)

結局、創業家MBO騒ぎの影響は?

じゃあ、結局創業家が騒いだだけで元に戻ったのかというと、そうではなく、この騒動で売りに出されたイトーヨーカドーを主力としたヨークHDは粛々と売却プロセスが進んでいます。

ベインが7千億円のオファーで優先交渉権を獲得したとの記事が出ています。

ベインといえば、キオクシア(旧東芝メモリ)やプロテリアル(旧日立金属)、最近では三菱ケミカルから田辺三菱製薬を買収するなど、日本の大手企業を食い物にしています。
ついに、その魔の手がイトーヨーカドーに💦

まとめ

いまとなっては、ですが。
こうなる前に、セブンとイトーヨーカドー、もっとしっかりと連携してシナジーを出せるはずだったのに……と、思わざるを得ないですね。

そして、セブンイレブンのみとなったセブンアイHDは、自力で7兆円以上の事業価値を創出できると主張するか、カナダATCに買収されるかの二択となります。
でも今更自力でって……できるなら既に7兆円の時価総額を目指しているはずですもんね……ちょっと難しいだろうと思います。

最終的には、TOBを受け入れるという流れになりそうな予感ですね。

ということで、何とも言えない結末に向かっていそうです……

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