草野なつか監督 『王国(あるいはその家について)』2023年ポレポレ東中野にて3週間限定公開決定。濱口竜介監督からのコメント全文
みなさまこんにちは、こちらのnoteは2016年に草野なつか監督によって制作された 『王国(あるいはその家について)』の、2023年の公開に合わせて開設されました。
こちらでは監督や出演者、制作の方々へのインタビューなどを掲載予定です。よろしくお願いいたします。
草野なつか監督からのコメント全文
『王国(あるいはその家について)』を撮影したのは2017年の年明けだった。初日にフィクション部分を撮影し、いよいよ作品の肝となるリハーサル撮影、という2日目、自分の見通しの甘さが原因で身動きの取れない状態になった。このとき、作品の本質を理解し打開策を講じたのは私ではなくスタッフであり、駆動し始めた撮影で大きな、広い景色を見せてくれたのは役者たちだった。翌年完成し2019年に映画祭を周ったのち、映画配信サイトMUBIでの配信が始まったまさにそのとき、世界中でロックダウンが起きた。
コロナ前に撮影した本作がコロナを経た今どう観られるかは想像もつかないが、作品がまた大きな景色を見せてくれること、そして今度は観客の皆さんに遠くまで連れて行ってもらえるであろうことを私は楽しみにしています。
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濱口竜介監督から頂いたコメント
俳優たちはテイクを重ね、やがて「これしかない」という声に辿り着く。この特権的な声が本来「OK」テイクとなるものだ。しかし、このたった一つの声は、実のところすでに為された無数の発声がその裏に張り付いた複層的なものなのだ。「王国」ではその声は示されるとともに解体されて、あらゆる声が「OK」として響く。自分が夢見たことを先んじてやられてしまったような、そんな感覚を持った。草野なつか監督の勇気と知性に敬意を表したい。
👉濱口竜介監督プロフィール
2018年、商業映画デビュー作品「寝ても覚めても」がカンヌ国際映画祭のコンペティション部門に選出。21年、村上春樹の短編小説を映画化した「ドライブ・マイ・カー」がカンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品され、国内外で高い評価を得た。
日本人では黒澤明以来はじめて米アカデミー賞と世界三大映画祭のすべてで受賞を果たした映画監督。
作品名: 『王国(あるいはその家について)』
公開期間:2023年12月9日(土)
劇場:ポレポレ東中野(最寄り駅:中央線東中野駅、東西線落合駅)
澁谷麻美 笠島智 足立智充 龍健太
監督:草野なつか
脚本:高橋知由 撮影:渡邉寿岳 音響:黄永昌 助監督:平波亘
美術:加藤小雪 衣裳:小笠原由恵 ヘアメイク:寺沢ルミ
編集:鈴尾啓太、草野なつか
写真:黑田菜月 演出助手:神田友也
手紙文作成:高橋知由、澁谷麻美
イラスト・タイトルデザイン:さいとうよしみ
エンディング曲:GRIM「Heritage」
エグゼクティブ・プロデューサー:越後谷卓司 プロデューサー:鈴木徳至
愛知県美術館美術品収集委員会・オリジナル映像部会委員:天野一夫、岡田秀則、岡村恵子、酒井健宏
企画:愛知芸術文化センター 制作:愛知県美術館
配給:コギトワークス
宣伝プロデューサー:村上知穂 宣伝:大橋咲歩、本多克敏
宣伝デザイン:三浦樹人
予告編:川添彩
2018年/カラー/スタンダード/150分
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