学びごと①0円キッチンを観て。
こんにちは。食のクリエイティブチーム「honshoku」にインターンシップ中の大学4年生、わたなべゆめのです。
今回、兄のおかげでcinemoを通じて、「0円キッチン」というドキュメンタリー映画を視聴することができました。 ちなみにcinemoとは、
「社会の課題解決を目的に事業を展開する ユナイテッドピープルが運営しています。社会課題・SDGsテーマの映画の上映会(自主上映会)の開催や、全国各地で行われる上映会を見つけたり、映画の口コミを書き込むことなどが出来ます。」
(cinemoホームページ『cinemoとは?』より引用。
URL:https://www.cinemo.info/cinemo.html)
といった取り組みです。おうち時間の楽しみとして、おすすめです。
今回は、「学びごと」と題して、0円キッチンについて紹介します。
0円キッチンとは?
0円キッチンとは、2015年にオーストリアで制作された80分ほどの映画です。監督のダーヴィド・クロスが、食品ロスを無くすためのアクションとして、欧州5カ国を5週間かけて、廃棄食材しか食べずにキッチンカーで旅をした様子を観ることができます。
キッチンカーでの走行距離は5079 kmで、全て廃油でエネルギーをまかないました。その総量は、なんと 684.5リットルになります。
そして、この旅で救出した食材は、690 kgだそうです。
自分にとって映画レビューを書くのは初めてのことなので、どこまでがセーフゾーンかわかりかねていたのですが。ホームページで既に紹介されている内容を元にお話しします。
概要
ホームページで紹介されていた概要は、こんな感じでした。
・食堂から車の燃料となる廃油を調達(オーストリア)
・一般家庭の冷蔵庫を抜き打ちチェック
捨てる予定の食材や賞味期限切れの食材を救出クッキング(ドイツ)
・アプリを使って町に自生する果物を調達(ベルリン郊外)
・海に捨てられる混獲魚でスープを調理(フランス)
・欧州議会食堂でゲリラクッキング(ベルギー)
・未来のオトナたちと昆虫食を食べ比べ(オランダ)
URL:http://unitedpeople.jp/wastecooking/
他にも、ごみ研究家の方やスーパーなどの小売店、ファストフード店への取材等の様子を観ることができます。
感想
一言でまとめると、「新鮮」そのものでした。
ダーヴィドが訪れた街、出会った人、調理した食材に、食品ロスに対するアイデア。どれも多種多様で、深刻さだけでなく、楽しさがあふれていたように自分は感じました。
きっと、知らなかったことにたくさん出会うきっかけになると思います。
そして、身近な食事に対して、見る目が変わる機会になると思います。
印象深かったシーン
自分にとって印象深かったシーンを、1つに絞って紹介します。
それはダーヴィドが一般家庭の冷蔵庫を抜き打ちチェックしていたときのことでした。
その最中に出会ったとあるご婦人の方は、「何も捨てるものがない」と言い、ダーヴィドに食材をレスキューされることはありませんでした。
そしてこんな言葉を教えてくれました。
「昔は工夫をした。いまは忙しくて知恵を失ってしまった。
料理は貧乏人に、貯金の仕方は裕福な人に学べってね。」
(映画を観ながらの走り書きから。以下の映画の引用も同様です。
多少誤りがあるかと思われますが主旨は問題ないと思われます。)
生きるために必要だったからこそ、創意工夫が生まれた。
自分はこの言葉から、人の力強さを垣間見ました。
多様な人々や課題について紹介していたので、観る人によって印象はきっと変わるだろうと思います。
もしご覧になった方がいれば、シェアしてお話ししたいものです。
自分にできること
ダーヴィドは映画の最後に、
「(0円キッチンの取り組みは)必要なくなってこそ価値がある。」
という言葉を残していました。
自分はこの言葉を、
「誰もがごはんを食べられ、食材が無駄にされることがない世の中になれば、0円キッチンの目的は達成され、取り組みは必要なくなるのだ。」
と解釈しました。
食材を無駄にしないために、冷蔵庫のなかを使い切る。
小さなことですが、自分はここからスタートします。
さきのご婦人が言っていたように、忙しさに負けて知恵を失わないように、楽しみながら自分事にしていきます。
食材を助ける方法として、「サルベージ・パーティー」があります。
気になる方はぜひ覗いてみてください。
日本での食品ロス
さて、「もったいない」という文化のある日本ですが、以外にも食品ロスが多いことはご存知でしょうか?
まだ食べられるのに廃棄される食品、いわゆる「食品ロス」は612万トン(※)。これは、世界中で飢餓に苦しむ人々に向けた世界の食糧援助量(平成30年で年間約390万トン)の1.6倍に相当します。
また、食品ロスを国民一人当たりに換算すると"お茶腕約1杯分(約132g)の食べもの"が毎日捨てられていることになるのです。
(※農林水産省及び環境省「平成29年度推計」)
(消費者庁ホームページ 『食品ロスについて知る・学ぶ』より引用。
URL:https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_policy/information/food_loss/education/)
市場システムから考えても、実際にそんなことができるわけではありません。しかし、日本人が食べ残した食事を捨てずにすめば、飢餓で苦しむ人はいなくなる計算になります。
このことを初めて知ったとき、自分はとても驚きました。
こうした問題の改善に向けて、2019年10月に、「食品ロス削減推進法」という法律が、国内で初の食品ロス削減に対する法案として施行されました。
概要は下記のサイトをご参照ください。
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_policy/information/food_loss/promote/
法整備が整ってきたことで、食品ロス削減に向けた取り組みが広がっていけばいいなと感じています。
こうした国の対策以外にも、民間の取り組みや、アプリなど、現在リリースされている食品ロスを解決するための方法は、実はたくさんあるんです。
またの機会に「ひとりごと」としてコツコツと紹介していきますので、ご興味のある方はぜひ覗きに来てください。
続編「もったいないキッチン」公開!
さて、今回紹介した「0円キッチン」ですが、なんとダーヴィドが日本にやってきて、新しい旅に出た続編映画が公開されます。
その名も「もったいないキッチン」!2020年8月に公開予定です。
悲しいことに、自分は先行公開を見逃してしまい、まだ内容がよくわからないのですが…
ダーヴィドがどんな形で切り込んでいくのか、観る前から楽しみです。
観に行く前にはぜひ、映画のアンバサダーを務めるfood skole校長の平井と、ユナイテッドピープル代表の関根健次さんの対談企画をご覧ください。
長くなりましたが、今回は学んだことについてエンタメを交えながら紹介しました。ここまで読んでくださり、大変にありがとうございます。
食に関する取り組みについて、こちらも覗いてみてください。
映画情報
監督:ダーヴィド・グロス、ゲオルク・ミッシュ
脚本:ダーヴィド・グロス
撮影監督:ダニエル・サメール 編集:マレク・クラロフスキー
音楽:ジム・ハワード
制作:ミスチフ・フィルムズ 制作協力:SWR/ARTE、ORF
プロデューサー:ラルフ・ヴィザー 原題:WASTECOOKING
配給:ユナイテッドピープル
2015年/オーストリア/81分
URL:http://unitedpeople.jp/wastecooking/about
引用した写真
http://unitedpeople.jp/wastecooking/wp-content/uploads/POSTER.jpg
https://www.flickr.com/photos/45498997@N02/29455267655/in/album-72157670190931534/
追記
2020/06/05 19:42 誤字訂正を行いました。
×デーヴィド → ○ダーヴィド
謹んでお詫び申し上げます。
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