ポスト真実とは
(写真は、 #リンカン大聖堂 )
ユバル・ノラ・ハラリ ‘ #21世紀における21の提言 (英語版の日本語要約) ’
第17の提言 #ポスト真実 P233~236
( #ポスト真実とは 。)
私自身、和訳していて理解できない言葉ですので、もう一つの解釈をあげておきます。
「世論を形成する際に、客観的な事実よりも、むしろ感情や個人的信条へのアピールの方がより影響力があるような状況」
(本題)
事実として、人類は常に、#ポスト真実時代 の中で暮らしてきた。 #ホモサピエンス は、その拠り所として #フィクション を構築し信じる、#ポスト真実種族 と言える。
#石器時代 から、自分で強固にした #神話 が、人間の集合体を結束させた。
とりわけ、 #フィクション を創造し広める人間固有の能力によって、 #ホモサピエンス はこの惑星を征服した。
我々は、多くの他者と協力することが可能な唯一の哺乳類である。
なぜなら、我々は、 #フィクション を発明し、それらを広げ、それらを数100万人に信じさせることができるからである。
誰もが同じ #フィクション を信じている限り、我々は、同じ法律に従い、効率的に協力できる。
私が宗教と #フェイクニュース を等しく扱うことで、多くの人が困惑するかもしれない。
しかし、これが、まさにポイントである。
1,000の人が、1カ月間作り上げられた #ストーリー を信じると、それは、 #フェイクニュース である。
一方で、10億人が、1,000年間、それを信じると、それは宗教となる。
信仰心を傷つけないように(逆鱗に触れないように)、それは、‘ #フェイクニュース ’であると言わないよう忠告される。
( #フェイクニュース が700年まかり通った例)
1255年8月29日。ヒューという名の9才のイギリス人少年の体が、 #リンカン (イギリス東部)の街の #井戸 の中で発見された。
#フェースブック も #ツイッター もないのに、ヒューが地元のユダヤ人に、儀式として殺害されたという噂が素早く広まった。
噂は噂を呼び、当時の有名な記録者は、事細かに残忍な描写を記した。
イングランド中から、どのようにして、人目につきやすいユダヤ人が #リンカン に集まり、私腹を肥やし、苦痛を与え、しまいには、拉致された子供をはりつけにしたのか。
19人のユダヤ人は、疲れ果て、殺人容疑の許しを乞うた。
同様の #血の侮辱 は他のイギリスの街にも飛び火した。
結果として、一連の過程で、全てのコミュニティーは完敗した。
1290年には、突如として、イングランドの全てのユダヤ住民は退去させられた。
話はそれで終わらなかった。
イングランドのユダヤ人排除から1世紀後に、イギリス文学の父・ジェフリー・チョーサーは、 #リンカン でのヒューの話に基づいた #血の侮辱 を記した。
その話は、ユダヤ人のはりつけで締めくくられる。
同類の #血の侮辱 は、中世スペインから近代ロシアに至るまで、反ユダヤ運動の中核をなした。
リンカンのヒューは(本当のところ、彼はどのようにして死んだか誰も知らないのだが)、 #リンカン大聖堂 に葬られ、聖人として崇められた。
彼は、様々な軌跡を起こすと言われていて、イングランドの全ユダヤ人排除から数世紀後経ても、彼の墓には巡礼者が絶えなかった。
ようやく、ホロコーストののち10年、1955年に、 #リンカン大聖堂 は #血の侮辱 を公式に否定して、ヒューの墓の近くに飾り板を置いた。
そこには、このように書かれている。
ユダヤ人集団によるキリスト教徒少年の‘教義殺人’というねつ造話は、中世からそののちも長く、ヨーロッパに広く行きわたっていた。
これらの作り話は、多くの無実のユダヤ人の命を奪った。
#リンカン は、独自の伝統を有し、申し立てられた犠牲者は1255年に、 #この大聖堂 に葬られた。
そのような話は、全キリスト教徒の信頼を損ねるものではない。
#やれやれ 。 とある #フェイクニュース がたった700年続く。
(以上)
(Wellという単語が、2回使われました。1回目「街の井戸の中で発見された。」の「 #井戸 」の意味で。
2回目、「やれやれ。とあるフェイクニュースが・・・」の「 #やれやれ 」の意味で。200ページ以上読んできて、初めて、間投詞Wellを見たのですが。きっと、計算しつくされた‘しこみ’なんだろうなあ。蛇足ながら、最終文は「たった700年」とあります。もっと長く続く #フェイクニュース を暗に示していると思います。)