太陽と海
真夏の風に包まれて
僕はなぜか懐かしい感じがしている、
だけど素敵な思い出なんてたいしてない
憂鬱な熱が充満した季節。
色の白い君に恋をした。
くだらない教授の講義の間じゅう
僕は君の後ろ頭眺めている、
君は机に何か落書きをしている。
アルベール・カミュの言葉が書いてある、
僕はそれを見て笑った。
*
やがて海辺は熱い肌を持て余している
男と女で満たされるだろう、
夏の終わりにはいい色に焼けた君が
僕をすっかりのめしてしまうだろう。
夏が過ぎてゆく、夏が過ぎてゆく、
何の感傷も残さずに。
輝く真夏の太陽が
君の優しい肌 真っ赤に焼き付ける。
西陽の射す死ぬほど熱い部屋で
僕はずっとあなたを思っている。
夏が過ぎてゆく、夏が過ぎてゆく、
何の感傷も残さずに。
*
夏が過ぎてゆく、夏が過ぎてゆく、
折れたパラソルが転がっている。
輝く真夏の太陽が
君の優しい肌 真っ赤に染めてしまう。
輝く太陽が君の優しい肌に
消せない痕を残して去ってゆく
真夏だ。
(1989年夏、2018年一部改詩)
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