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田代雄一様@アートのチカラ(2023.1.4〜1.10)

田代雄一様(TwitterID:@yuichitashiro)の「たまごからうまれたかったウォンバット」という作品が目に留まった。

ウォンバットって何だっけ?たまごからうまれたかった、ということは、きっとたまごから生まれる生きものではないのだろう。なんでたまごから生まれたかったんだろう。

一瞬にして頭の中が?マークでいっぱいになった。
最近の私は虫以外の生きものにはめっきり興味がないはずだったが、この哺乳類っぽくてげっ歯類っぽいウォンバット、どんな生きものだっけ!?と気になって仕方なくなったので、家に帰ってから調べてみた。


ウォンバット、そもそもげっ歯類じゃなかった。

ウォンバットはオーストラリアに住む哺乳類で、体長は最大1mほど、体重は大きいものだと30kgにもなるらしい。丸くてずんぐりむっくりな見た目で、大きなモルモットとかカピバラっぽいかんじ。
そしてげっ歯類ではなく、コアラやカンガルーと同じ「有袋類(ゆうたいるい、と読むことも初めて知った)」という仲間だ。有袋類というのは、おなかに赤ちゃんを育てるためのポケット(育児嚢)がある生きものである。

有袋類は胎盤を形成しないため、未熟な状態で産まれてくる赤ちゃんを安全に育てられるようにポケットがあるんだって。

カンガルーのポケットはママカンガルーの頭に向かって口が開いているが、ウォンバットのポケットは特殊で、ママウォンバットのお尻側に口が開いており、チビウォンバットは産まれてすぐにポケットに入れる構造らしい。

いいじゃん。ママのポケットでぬくぬく育つならたまごじゃなくていいじゃん。たまごみたいなもんじゃん。

でもこの田代様のウォンバットはたまごからうまれたかったのだ。

なんで………?


多分これはそんなに深く考えるようなことではないと思う。このウォンバットはたまごからうまれてみたかった、そういうウォンバットなのだ。ないものねだりというとちょっとネガティブな響きだけど、何か卵生に憧れがありたまごからうまれてみたウォンバットなのだ。

鳥みたいなイメージで孵化してるのか…もしかして虫…?
いやでも虫だと卵は大量に生まれて一斉に孵化するかんじだからちょっと違うか…
パリパリと卵の殻を破って出てくるやつをやりたかったのかな。それとも卵という空間に入りたかったのか。恐竜とかも卵生だから、卵から生まれるとなんか強そうでかっこいいから?

そしてどうして「うまれたかった」は平仮名表記なんだろう…確かに生まれると産まれるを使い分けるのはちょっと面倒だ…


またこのウォンバットに思いを馳せてしまう。すごい。何気なく目に留まっただけで、私は会場を離れてからもウォンバットのことで頭がいっぱいになり、さらにはウォンバットについてひとつもふたつも賢くなってしまい、調べたら調べたで余計にこの作品について考えることとなった。おもしろい!

そしてこちらの作品は彫刻なのだ。毛の流れ、卵のギザギザ、ちょこんとした前歯やつぶらな瞳も彫刻!哺乳類の柔らかそうなかんじと、卵の硬そうなかんじが表現されてるってすごいな、と思った。素敵。

ちなみに私がウォンバットについて調べた中で一番かわいいと思ったのは、おしりの組織がめちゃくちゃ硬くて痛覚もないため、天敵から身を守るために巣穴をおしりで塞ぐらしい。鋼鉄のおしり、かわいすぎる。


見るに限らない楽しみ方ができる作品に出会えて嬉しかった。人にこんなに影響を与えることができるってすごいことだな。おかげさまでウォンバットに愛着が湧いてしまい、人生がまたひとつ楽しくなりました。

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