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11月と無気力


この時期はとにかくやる気が出ない。普通の「やる気が出ない」ではなく、シンプルに生活そして人生を侵食する勢いのやる気のなさである。病的な無気力と言ってもよい。体と布団がアロンアルファで接着されているのかというくらい、布団から出られないのだ。そのせいで机の上も床もベッドの上も常に散らかっており、無理やり空間をこじ開けてご飯を食べたりでかい図体を丸めて寝たりしている。

部屋の環境は生活にも直結するというように、お風呂に入れない、歯磨きができない、着替えができない、食事すらも3食食べていない、授業にも出られない、家計簿が付けられない、それからなんと言っても危機的なのが課題を提出出来ていないのだ。しかし、厄介なことに人前に出ると何事も問題を抱えていない人のように振る舞えてしまうのだ。

このままではいけない!と思い、普段滅多に使わないUberEATSのアプリを開き、松屋の牛めしを頼み、配達が来るまでなんとか身支度と部屋の環境を整えようと布団から出た。節約の観点で言えばUberEATSはあまり使わない方が良いのだが、こういう、何も出来ない時はあえて使って、配達の時間までに何か行動を起こすというのが自分にとってのライフハックであると最近気がついた。一度体を起こしてしまうとそれまでの無気力が嘘かのように、溜まっていたゴミを片付け、洗い物をし、身支度を整えることが出来た。

行動を移せるようになって、わたしはある1つの気づきを得た。人前で何事もなかったかのように振る舞うから疲れて無気力になるのではなく、11月は無気力がデフォルトなのだと。人と関わることで自分は生命力を取り戻しているのだと。そういえば、自分が生き生きとしていた9月は分単位の忙しい1日をこじ開けて友人と電話をしたり、放課後一緒に映画を見に行ったりしていた。わたしは友人と過ごす時間が生きがいなのである。

この結論に至ったわたしは、2日ほど開けていなかったLINEを開くことが出来た。同級生の友人は、来年4月から社会人になる方が多いので、来年以降の自分が何を生きがいにして生きているかは分からないが、実際にその時を迎えてみなければ分からないのだ。だから今のわたしができることは、自分から友人との縁を切らずに続けていくことである。

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