STAY GOLD
ある日ドルジが電車に乗っていると、おじさんが隣に座った。そのおじさんはカレーパンマンのような黄色いコスチュームを身にまとい、頭の上にはとぐろを巻いた金色うんちが鎮座していた。ドープネスなうんちマンは平然とスマホをいじり始め、全く周りからの目を意識していないようだ。昨日の夜は遅くまで飲み会だったドルジ。今日は疲れてるんだな。こんな幻覚が見えてしまうと、流石に自分の身体が心配になる。ところが、電車の揺れでうんちマンに軽くぶつかると、肩には確かな感触があった。どうやら彼は幻ではなく本当に存在しているようだ。きっと相当変わった癖の持ち主なのだろう。そしてしばらくすると、うんちマンは居眠りを始めた。身体は傾き、首がドルジに寄りかかり始める。何度か肩で押し返したが、その傾きは変わらない。ドルジの頭と金色うんちの距離はもはや恋人の域に達している。そして、ついにドルジの頭と金色うんちがごっつんこしたのだ。対面の高校生が顔を振るわせながらスマホをこちらに向けている。おそらく、このシュールな状況を盗撮しているのだろう。二日酔いで頭が痛い。どうせ撮られるなら、ちゃんと髭を剃っておけばよかったと思うドルジなのでした。
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