雨あめ降れふれ蘭らんラン@いつもの森
天気予報は雨である。
これで写真撮影を思い浮かべる人は写真好きかもしれない。
ということでここに写真好きな男がいる。
最初に思い浮かべたのは「雨のバイカツツジ」で、想像しているあいだに雨ならなんでもよいような気がしてきた。
そんなこんなで森にいる。
なのに雨は降っていない。
残念な気持ちを引きずりながらトボトボと歩く。
バイカツツジも見つからない。
雨も降らないし、まぁ、いっか、、、
雨と関係なく、写真撮影を楽しもう。
中途半端な曇天だけど、、、、orz
そんな男に喝をいれたのがこいつ
おお、かっこいいヤツがこっちをみている。
蝶も好きだけど、カミキリムシもかなり好きなほうだ。
逃げないようにまわりこんで背中を写したい。
崖を降りるように、ふいに落下しないように気をつけながら、、、、
いつかの経験から多少は学習能力があることを自覚する。
おお、カッコイイやつじゃないか。
雨が降っていたら、きっとここにはいなかっただろうからよしとしよう。
少しあるくと白いホタルブクロが咲いているではないか。
先週はなかった。一気にここで咲いたのか。
なんだこの写真はなんだか面白くない。写真好きはこれでは納得できないのだ。どうする?下でしょ。と、とっさに下から覗き込む。
といってもカメラ越しなんだけどね。
モニターが自由自在に動くから、こんな花の下から覗き込むことができるのさ。
そのすぐよこの崖に変な植物が育っている。
あれだよ、去年もここにいた。
ジガバチソウだ。
全体像はこんな感じ。紹介写真はこんなもんとして、、、、
でもさ、これさ工夫しようがないんだよね。
アップでとってもさ、、、あえてアップする必要もないかな。
さ、次行こう。
と、ちょっとまて、またカミキリだ。
さっきのやつと似ているけど、ちょっと違う感じもする。
写真としてはこれで十分だけど、同定用に後ろから撮らないとならないな。
今度は落下を心配することもなく、なんなく撮れたぜ。
じゃ、次いこ。
ここからは「ツルアリドオシ」が咲いていると聞いたチゴユリロードだ。
前回はサンコウチョウの余韻に酔いしれて千鳥足になっていたが、今回は注意深くじっくりと探して行こう。
ひとつも見落とさないようにじっくり歩いていたらキノコを見つけた。
せせらぎの向こうのちょっと遠いとこなので、近寄っては撮れないけど、まあまあの感じで生えている。
おっと、これは、、、、トンボソウ、、じゃない、クモキリソウだ。
先週は別のところで、ここではないかったぞ。
これじゃ先週と同じような写真になってしまう。
今日はマクロをもってきているからアップでとってみよう
ピントの位置が難しいな。
それにしても、ツルアリドオシはないじゃないか。
もう花期がおわっちゃったんかなぁ、、
雨も降らないし、まあいいか、、、
あの花びらの産毛が雨粒に濡れている画を想像しながらだんだん気分が落ちていってしまう。
珍しくこんなヤマアジサイが咲いていても、ふと雨に打たれて咲く姿が浮かんでしまうし、、、ツルアリドオシはないし、、、仕方がない、おにぎりでも食べて帰るか、、、
里で何枚か撮っていると、観察会の集団とすれ違った。
あ、喉まででている、ツルアリドオシって咲いてましたか?
でも、ツルアリドオシって、本当にツルアリドオシって名だったけか?
もしかしてツルアるドオシ、だったような気がするし、ツルアリどうふ、だったかもしれない、、、笑われたらどうしよう?
ということで、やはり訊かずにニコニコと会釈をしてすれ違った。
語り部の家でおにぎりをほうばりながら、壁にはられた報告書を見る。
あれ? 咲いている花のなかにツルアリドオシが書いてない?
もちろん“ツルアるドオシ”も“ツルアリどうふ”もない。
あれ? みつけてないのか?それとも花期が終わったのか?
訊かなくてよかった、、、、、でも、この、エンシュウムヨウランってのがぁあああああ、、、これ訊いたら教えてくれたかなぁ?
まさか追いかけていって訊くわけにいかないしなぁ、、、
それにしても、雨雲の予想は3時頃振り出します、、かぁ、、とスマホを見ながら落胆する。まさか3時までいるわけにはいかないし、、、、
中途半端な曇天がつづくわけだ、、、
仕方がない帰るか、、、
と歩きだすと、、ポツポツ、、、大粒の雨が、、、
背中のカメラリュックに刺したビニール傘を抜いて喜んでさす。
いきなりの土砂降りに、浮かれてしまう。
すると、お、なんだ、あれは、、、枯れ枝か?
でもなんか変だ。
エンシュウムヨウランではないか?
先週もこのへんを散々探したのに、、、、やはり恵の雨か。
善行きわまる。
いかんいかん、こんな紹介写真を撮るために善を重ねてきたわけじゃない。
いやいやいや、この花も難しな。
と、土砂降りなか道端に、しかもグチャグチャの足場のとこにしゃがみこんだ男を遠回りにさけながら、突然の雨から逃れようと小走りで駐車場にむかう老夫婦、山ランニングの人々、背中に冷たい視線をかんじながらも撮影を続ける。
雨あめ降れふれランランラン・・・思わずオヤジギャグが漏れる
ようしこれぐらいで許してやろう。
雨はさらに強くなるが、花も男も笑みがあふれる。
ようようと歩くと、白い花が目に入る。
これはもしや、、、あれ?あれれ?
じっと近づいてしゃがみこんで見る。
間違いない、ツルアリドオシだ。“ツルアるドオシ”でも“ツルアリどうふ”でもないツルアリドオシ。濡れた産毛だ。
正直、撮りながらピントの位置が分からない。
微妙に距離を変えながら撮る。
う〜ん、こっちかなぁ、、、
こっちかも、、、と、土砂降りのなかで納得しながら楽しむ。
よし、会いたかったものには会えた。
あとは、バイカツツジだな。
と、意気揚々とあるき始めるといろいろな花に感応する。
遠くで木の花が咲いている。
さて、望遠レンズにつけかえるか、、とふと浮かんだが、傘をさしているとはいえ流石にこの土砂降りの雨のなかでのレンズ交換はやめておいたほうがよさそうだな。マクロのままで、、
そうだ、いいことおもいついた。雨といえばコアジサイだよな。
ちょっと寄り道して、コアジサイを撮ろう、、と、ナイスアイデアが浮かんだが、さすがに終わっていた。
しかたがない、バイカツツジだ。
と、おもいきや、次から次へと虫が現れる。笑
とこの辺はすでに雨がやんでしまっていた。
まあ、仕方あるまい。
濡れている雰囲気がでればいいだろう。
森についたときは見つけられなかったバイカツツジも、雨が連れてきてくれたのか、帰りは満開の花をみせてくれた。
雨、燦々と〜サンクス。