人生に本の居場所がある PASSAGE日記 #2
先日、PASSAGEに伺った際に「そろそろ一周年ですか?」と聞いたら、「いえいえ、まだそんなに経ってませんよ」と言われた。確かに。月に数回神保町に通う生活が板についてきたとはいえ、私がここに通うようになってまだ半年も経っていないのだ。
PASSAGEで棚主になって数ヶ月。月に何度か神保町に本の搬入に通うようになったとはいえ、毎日店番をしているわけでもなく、「本屋さんになった」といっても所詮一棚の棚主、日々の生活に大した変化はない…なんてことは全くなかった。
たとえPASSAGEに行かない日でも、「今日お買い上げいただいた本は誰が読んでくれているんだろう」「次はどんな本を持っていこう」とほぼ毎日PASSAGEのことを考えている。
人生に本の居場所がある。その喜びは大きなものだった。
そして何より、本が売れた時の喜びは何回経験しても慣れることができない。
会ったこともない誰かが、私が書棚に置いて薦めた本を読んでくれる。見えない誰かと本を通して繋がるその感覚。
本を読もうとしてくれている、その人はその本を読んで何を考えるのだろう。きっと私とは違うことを感じ、考えるはずだ。多くの人が色々なことを感じ、考える世界は豊かだ。
そのまだ見ぬ誰かに、私はこんなにも励まされてしまっている。