児童生徒の生きづらさをどう解決するか??
1 児童の困っているサイン
小学校の各学年でトラブル続きの児童がいるとお話を聞いた時,
自閉症・情緒学級担任の私は、通常学級担任の先生方から見てもらえますか?と言われることがあります。そういう時は、各クラスに行き、その時の児童の状態を休み時間や授業中によく見てどんなところに苦手な部分があるのかを確認してみます。
〇すぐにカッとして、イライラしていないか?
〇先生に反抗的な態度をとっていないか?
〇自分勝手な行動が多くないか?
〇忘れ物の量はどうか?
〇椅子に座っていられるか?
〇授業中と休み時間のきりかえができているか?
〇先生の注意を冷静に受け取ることができるか?
〇人の話を配慮に入れず、自分の言い分だけ主張することはないか?
〇向学心はあるか?
〇やりたくないことをしない部分はあるか?
〇嫌なことからすぐに逃げることはないか?
〇その場に応じた適切な対応ができるか?
〇体や手先を上手に動かせるか?
〇体を清潔に保つことができているか?
休み時間や学習している様子を見ていると、必要な学力をつける前に、生活をするために身に付けけていなければいけない基礎的な力が足りていないのではないか?と考えることが多いですよね。
2 器用でない児童のサインに気付こう
器用でない子供は、集団生活をしていると困ることが多いのです。ですから実はひそかに助けを求めていることが多いのです。
しかし
その兆候やサインは「不適切な行動」に見えることも多いのです。
簡単に言ってしまいうとかわいくないのです。
ですからなかなか「助けを求めている」ように見えません。
不器用な児童を助けるために、まず大切なことは、
(1)子供たちの「助けて!」というサインに大人が気付く。
ことなんです。今日はどんなことがそのサインなのかをお伝えします。その後に、その子供の特徴や彼らの課題を考え、必要な手助けをすることです。
大きくなるほど「生きづらさ」は増していきます。
それはなぜかというと?
〇思春期になり本人が不安定になる。
〇定期的に大きなテストがあり、学力に向き合う機会が多くなる。
〇先輩・後輩・クラブ活動などの人間関係
〇異性との向き合い方が変化する。
中学生になると生活に大きな変化があり、本人に大きなストレスがかかります。普通、子供は親に依存して甘えたり、反発したりを繰り返しながら、親に見守ってもらい、厳しくたしなめられ、努力を受け止めてもらうことで次第に安定してきます。
しかし、不器用で生きずらさを持つ子供は、相談する大人の少ないことが多いのです。一人で大きな環境の変化に対応することは、とても難しく大きなストレスを感じるのです。
学校でのサイン
学校に行ったとしても
〇教師に暴力をふるう
〇物を壊す
〇不良仲間とつるむ
〇夜間徘徊する
〇タバコを吸う
〇自転車を盗む
など「問題行動」を起こすようになります。さらに警察に補導されたり犯罪行為を犯したりして逮捕されてしまうケースもあるのです。
しかし、罪を犯し少年院に入ることになった少年たちも実は最初から悪かったわけではないのです。家庭・学校・地域・幼少期から「困っているサイン」を出し続けているのに見落とされてしまっていたのです。
私は自分の住んでいる町のお祭りの時に様々な子供たちとかかわりを持つようにしていました。血縁関係のない大人と中学生以上の若者が関わるということはとても大切なことなのです。
困っている子供たちを前にした時に、学校の先生や周りの大人が意識しなければならないことがあります。
その一つは
今、気になっている子供の問題は保護者のせいではないということ。
日本の学校では子供の問題をあまりにも安易に「親の子育ての問題」「愛情不足」と考えてしまうところはないでしょうか?
私の経験では、それは、ただでさえどうすればいいか困っている保護者を追い詰めて不安にさせるだけです。いやかえって保護者との信頼関係を崩してしまい問題を深刻化させます。
一方、どうすればいいか?困っている保護者とともに考え、様々な方法を試していったらどうでしょうか。
すぐには光は見えてこないかもしれません。でも一つより二つ。二つより三つうまくいくんじゃないかという方法を試すことでうまくいくことが必ず出てきます。
長くかかわっている保護者や先生方の中には疲れてしまって
「この子は問題行動ばかり起こしてもう手遅れだ」と言われてしまうこともあるかもしれません。しかし嘆く必要はありません。まだまだ打つ手はたくさんあります。
学校教育が終わって大人になると、彼・彼女が「困っていた」ことを完全に忘れ去られてしまいます。社会人は普通できると思って対処します。本当の厳しい現実に直面することになります。
仕事でミスが目立つ
職場での人間関係がうまくいかない
ということになり、職場を転々としたり、自分の部屋に引きこもったり、うつ病になったりします。最悪の場合、犯罪を犯して刑務所に入ることもあるのです。
小さいころには「生きずらさのサイン」をキャッチする
中学生になったら「問題行動」の意味が「生きずらさ」のサインだと
気づいてあげる必要があります。
私は私の近くにいる子供の「困っていること」を探し出して解決していきたいと考えています。