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ニートの肩書き問題——「何やってるの?」にどう答えるか
私は、それなりに社会参加するタイプのニートだ。
読書や探究活動に支障をきたさない範囲で、行きつけの図書館で半日ほどボランティアに参加したり、趣味のサークルに顔を出したりしている。
社会参加し、コミュニティに所属することはメンタルヘルスにも良い。
人は社会的な動物であり、共同体への帰属意識が幸福感につながる。
しかし、社会的な活動をし、他者と交流を深める中で避けて通れない質問がある。
「(今)何やってるの?」
今回は、こうした質問にどう対処すればよいのかを考えていきたい。
「(今)何やってるの?」——質問が持つ意味
この質問は、暗に職業を問うものだ。
(英語でも、相手に職業を尋ねる際に "What do you do?" というフレーズを使う。直訳すると「あなたは何をしていますか」だ)
想定される回答としては、以下のようなものが挙げられる。
「銀行に勤めています」
「美容師をやっています」
「事務の仕事をしています」
つまり、この質問は「相手が就労していること」を前提にしているため、「ニートです」とは答えづらい。
(ただし、気心の知れた友人には「ニートなんだよね」とフランクに答えられるかもしれない)
開き直って「ニートです」と答えたとしても、相手にとって予想外の返答となる可能性がある。
変に気を使わせてしまっては、些か申し訳ない。
(もっとも、そこまで他人に気を遣う必要もないのかもしれないが)
簡易的な肩書きを用意する
私が提案したいのは、簡易的な肩書きを用意すること だ。
自ら取り組んでいる活動になぞらえて、自分を語るとよい。
例えば、note に記事を投稿しているなら、「作家」と自称できそうだ。
簡易的な肩書きを考える際には、ゆるふわ無職氏の「ニートスキルツリー」 が参考になりそうだ。
独断と偏見によるニートスキルツリー pic.twitter.com/x5Kh1nR0qW
— ゆるふわ無職 (@yrfwmsk) February 25, 2023
あくまで「簡易的」な肩書きなので、「仮にこうしておく」「暫定的にこうである」と、肩肘張らずに考えればいい。
簡易的な肩書きを名乗る効能
「ラベリング効果による自己変革」 が、簡易的な肩書きを名乗ることで得られる最大の効能だろう。
ラベリング効果とは、人や物事に特定のラベルを貼ることで、ラベルに沿った行動が促される心理現象を指します。
言葉が持つイメージの力は強い。
簡易的な肩書きを名乗る際にポジティブなラベルを自分に貼れば、そのラベルにふさわしい人間になろうとする意識が生まれ、考え方や行動が良い方向へ変わっていくかもしれない。
そのため、簡易的な肩書きは できるだけポジティブなものにしておく のが望ましいだろう。
この効果は、ニートに限らず、誰でも応用できそうだ。
私は当面、「売れない作家」とでも名乗ろうか。