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『「能力」の生きづらさをほぐす』がオーディオブックに!
つい先日、どく社第2弾『「能力」の生きづらさをほぐす』のオーディオブック化が決まりました! わーわー。
そこで、今回のnoteでは、ロングセラーとして愛されるようになった本書の魅力について、改めてご紹介したいと思います。
本書の著者は、コンサルタントで、組織開発の専門家・勅使川原真衣さん。日本社会の息苦しさを生む大きな要因のひとつともいえる、「能力主義」を問い直す一連の執筆活動で大注目の書き手ですが、勅使川原さんのデビュー作が『「能力」の生きづらさをほぐす』です。
現在、4刷で発行部数1万3000部。部数以上に大きなインパクトを残し、紀伊國屋書店じんぶん大賞2023では8位に入賞。少しでも、日本の社会環境を変えるきっかけになればと、たくさん応援いただける本となりました。
「自己否定しないで前に進んでいくことを大切にしてほしい」
女優・作家・歌手 中江有里さん(NHKラジオ第1「マイあさ!」より)
「人間の能力と適性は多様であり、それを数値化して比較すること自体が、一つの物語に過ぎない」
作家 佐藤優さん(毎日新聞2023年3月11日付読書面より)
「本書のメッセージが伝わったその先には、きっと今とは少し違う、
もっと生きやすい社会が広がっていくはずだ」
代官山 蔦屋書店 人文コンシェルジュ 宮台由美子さん(集英社「yoi」より)
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そんな本書ですが、なにがユニークかというと、まず「設定」なのではないでしょうか。本書の舞台は、いまから約15年後の未来。急降下した上司の評価で病める息子を救うため、あの世からやってきた著者(母)が、子どもたちと対話しながら“他者と生きる知恵”を示す、というまさかの内容です。
というのも、勅使川原さんは、BCG、ヘイ グループなど外資コンサルティングファーム出身。ガン闘病をきっかけに、自身が専門とする人材の能力評価や能力開発を謳う商品が「個人を生かすどころか、追い詰めている」と確信し、本書を問題提起のため執念で書き上げた、という背景があるのです。
――ときは、2037年。急降下した
上司の評価で病める息子を救うため、
死んだはずの母さんがやってきた!?
「人事部が客観性の根拠として、人材開発業界を頼っているわけだね。
ふむ、とすると、『能力』なんて幻とかなんとかうそぶきながら、それを飯のタネにしてきたのは、やはり母さん、あなたのいた業界じゃないか。」(本文より)
人類学者の磯野真穂さんが執筆に伴走
本書は、移ろいがちな他人の評価が不気味なまでに影響力を持つ「能力」の実態と、息苦しさをつくる社会背景を、教育社会学とビジネスの現場の視点を交えてときほぐし、泥沼から脱け出す生き方を模索した1冊。
執筆にあたっては、人類学者の磯野真穂さんが1年にわたって伴走。子どもたちとの対話形式に結実させ、能力の本質をわかりやすく伝えられる内容となりました。
以下、本書で紹介されている「能力あるある」を3つご紹介します。
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不気味な能力あるある①
現職では「優秀」、
前職では「使えないやつ」現象
個人の「能力」が他人の評価で乱高下するなんておかしな話。能力は実は幻。個人が持つものではない。能力評価は周囲との関係性しだいで七変化する。
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不気味な能力あるある②
企業が求める「◯◯力」に
学校のカリキュラムまで左右される
企業が求めるリーダーシップ、協調性、創造力など、「求める能力」のトレンドはくるくる変わるのに、学校もそれに合わせてしまっている。個人に万能さを求めていることに気づかないケースも……。
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不気味な能力あるある③
能力を発揮できないのは、個人の問題!?
メンタルを病み、病院送りも……。
ほんとにこれって、自己責任なのか?
大切なのは、組織で個々がそれぞれの機能を果たすこと。周囲との関係性がうまくいかなければ、どんな優秀な人でも潰れてしまう。それなのに、個人の能力開発が求められつづけ、うまくいかないのは個人のせいとされてしまう社会。危うくない?
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本書が2022年12月に出て以降、勅使川原さんの執筆活動は広がり、姉妹本として、『働くということ 「能力主義」を超えて』(集英社新書)、『職場で傷つく リーダーのための「傷つき」から始める組織開発』(大和書房)、『「これくらいできないと困るのはきみだよ」?』(東洋館出版)が発売され、いずれも話題に。新作『格差の"格"ってなんですか? 無自覚な能力主義と特権性』(朝日新聞出版)も今月刊行されるそうで、その八面六臂の活躍から目を離せません。
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そして、このほど『「能力」の生きづらさをほぐす』がオトバンクさんからの熱烈なオファーにより、audiobook.jpにてオーディオブック化が決定! 今年度中にはリリースされますので、また違ったかたちで本書を楽しんでいただけたらと思います。
以上、どく社でした!