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「わたしたちは同じ月の下で。」

こんにちは、そして初めましての皆さんには初めまして。Akiです。ご訪問ありがとうございます。
今回はMx.MOONのヴォーカル、Akiとして初めてこちらに書いていますので全体的に初めまして、かもしれないですね。どうぞよろしくお願いいたします。Akiです。

さて、Mx.MOONでご一緒しているTakeshiさんが、曲の事からわたしの出自に至るまで網羅したいろいろを事細かに面白く書いてくださったので、わたしはいつものように、わたしの目からみて、わたしが思い、わたしが考えて、感じた事でふわっとMx.MOONの事を綴ってみようかなと思っています。
歌詞を書く時などもそうなんですが、わたしは「わたしはこうなんだけど」というところからしかものを書けません。それが正反対のスタンスになるかどうかはわからないですが「皆さんもこうですよね」というふうには書けないわけです。だからひとりよがりに陥りがちかもしれないし、とても、偏っているかもしれません、でも、読んでくださった方が「読んだら読んだでなんだか読んでよかったな」と思っていただけるようなものを書けたら良いなあ、と今思っています。そんな書き出しにいます。わたしたちは同じ月の下で!


Mx.MOON その名前について。

このプロジェクトの名前の候補を、縁起の良い画数まで調べて考えていたところ「'MOON'を入れたらAkiさんぽくて良いんじゃないか」と言ったのはTakeshiさんでした。わたしは朝型だし明るいところが好きだし太陽のもとで活動する事をこよなく愛しているのですがどうもTakeshiさんから見ると闇のイメージがあるらしく、でもまあ、太陽も花も星も月も同じように好きだし、月は綺麗だと思うだし、そう人様に言われるならそれもうれしい事の一つかなあと思い、そこにMx.という敬称をつけました。Mx.はMr.やMrs.のように名前の前につける敬称の一つで「ミクス」と読みます。意味は、なかなか面白いというか意味深いのでご興味のある方は良かったらお調べになってみてくださいませね。「ミクス・ムーン」の誕生です。


衣装について。

「Akiさんの隣りに写るなら普通の衣装じゃダメでしょう?」
と、言い出したのはこれもまたTakeshiさんでした。言いませんでしたが、この方、自分の好き嫌いではなくてそういうふうにアー写(アーティスト写真)や衣装を考えていて立派だなあ、とすっかり感心しました。ただ、いろいろ候補を考えて衣装合わせをして決まった衣装を実際にお召しになったら、しきりに「恥ずかしいなあ」とはおっしゃっていました。恥ずかしいのにイメージに合わせてちゃんと着るなんて偉いなあ、とまた感心しました。でもすらっとしたTakeshiさんなら何でもお似合いになるのではと思ったし、実際わたしはこの出で立ちはとても、似合っていると思いました。ちなみにロングジャケットの中に着た派手すぎない品の良いフリルシャツは外国の古着。なかなかこんな風には着こなせないと思うんですけど、どうですか。




よう似合うとる。


さて・・・衣装について、今回わたしはわりと強く思った事が一つありましたのでそれも書いてみます。
衣装を着て並んだアー写を添えて「Mx.MOON」として活動が発表されて、「ゴスっぽいね」という感想をけっこういただきました。わたしは正直びっくりして、逆に「『ゴスっぽい』って、何だろう」と思ったのです。身に着けているもので「ああ、この人は〇〇っぽい人」と決めてしまう、いえ、能動的に言うとそう思われてしまう事の、意外さ。思いがけなさ。危険さ。そして、或る、痛み。不意の焼き印みたいな、痛み。
もちろん「見かけ」とは文字通り、やろうとする事の「顔」ですから、そう「見て」「見られて」「判断されて」しまう事の自然さはわかります。
でもそこに孕んだ或る「危険さ」のほうを、わたしは今回印象深く感じてしまいました。例えば・・・メタルの人は、メタルの服装をしなければなりませんか。ではメタルの服装、って何でしょうか。ヴィジュアル系って。ダンス系って。・・・もしどうしても世界をカテゴライズしなければならないなら。その人が内に持っている、カテゴライズの箱が多ければ多いほど人は幸いだ、と思います。いえ、箱なんて最初からなければ。「あ、素敵」「これ、何か好き」そうとだけ感じて何かを見て、先入観や分類癖から自由になって、世界を眺めて生きてゆけたら。なんて事をすごく、今回思わされました。実際、お耳にされた「Mx.MOON」の音は、どうでしたか。何か、もう既に知っている分類箱に収まってしまいましたか。もう一度皆さんにそれを聞いてみたい気持ちがあります。そしてあわよくば「分類箱」に収まっている皆さんの中のをいろいろを、ひっくり返して見ても欲しかったりします。


制作の中で。

今回のMx.MOONの1st『THE MOON RISING』制作の中では、とにかく思うように「歌えなくて」悩みました。あまり人に相談をしないわたしなのですが本当に困ってしまいヴォーカリストの知人等に思い切って相談してみたのですが、「今の歌えない自分も受け容れて!」などと言われてしまったりして、そんな事聞いてるんじゃないや!と逆にもやりとしたり(勝手ですねえ)、解決の糸口を全く見つけられないまま随分「思うように歌えない」自分に悩みました。
そしてなんと、曲も書けませんでした。一度だけ、Takeshiさんに「助けて下さい」と言った事があるんですが「助けてはあげられません」と言われました。「悩めばいい」と、一言。それは、「悩まないと良いものなんて作れないのだから悩むので今は合っていますよ」という意味だったのですが、その時のわたしにはただ「悩むがいい!」と聞こえてしまい、本当に落ち込みました。
そして「僕には歌詞の事はわからない」と言うTakeshiさんなのですが、全く逆で、どこにどの言葉を置いたらメロディーが輝くかを本当によくご存知でした。わたしが使う日本語も英語も、Takeshiさんによって的確に直されて、実際良くなって曲が出来上がってゆく。
もしかしたら人よりちょっとくらいはわたしは音楽ができるのかな~などと思いあがっていたかもしれない自分の、それだけしかない、それも小さな小さな自信みたいなものをまったく信じられなくなってしまいました。
練習しても練習しても上手に歌えない。
書いても書いても曲は没になる。
すかすかになっていたところに、Takeshiさんから「シャッフル。」とだけ題された曲のファイルが送られてきて(後の『月光のシャッフル』です)、そのきらきら輝くようなオケ(歌の入っていない演奏)を聴いた時「ああ・・・この人、天才なんだ」と思いました。歌いすぎて音程を見失っていたら「そこは、こう」とさっとギターを手にして爪弾きながら口笛でいともたやすく、わたしが歌うべき難解な旋律を正確に吹いてみせるこの方を見た時、「あー、天才なんだ・・・」と心底思いました。自分はたいして何にも出来なかったんだなあと、思ってしまいました。
制作の途中の、いつ頃だったか忘れてしまいましたが数か月くらい、そうやって塞いでしまい、どうしていいのかわからなくなった時期がありました。ただ、圧倒的なものを前にきちんと絶望できる事は人の才能の一つと経験が知ってもいたので、その一縷の「絶望」に懸けました。バンドの真似事から数えれば、15歳からバンドをやっていたのも無駄に長いわけではなかった。ああ、いつかそれも辿って書こうかな。沢山悩んできたなあ。
Takeshiさんもきっと、歌の人(わたし)が歌えず思うようにゆかない制作の中でたくさん悩まれていたと思います。「良いものを作ろうと思ったら悩まなければならない」と。わたしは自分が悩むさなかで常に「努力している」Takeshiさんのそんな姿も何度も垣間見たように憶えています。そして、その果ての、常に冷静で理性的で最良と思われる導きで、ここまで連れてきてもらいました。感謝と尊敬しかありません。


こぼれ事、少し。

Takeshiさんが『THE MOON RISING』収録曲全曲について精密な解説をしてくださっているし(文章も上手いんだもんなあ、何も敵うものがありません。)で、ここではごくごく軽いこぼれ話をほんの少し。

①アルバムの中で、頑なに「声は出さない!」とおっしゃっていたTakeshiさんですがコーラスをしてくださっている貴重な箇所があります。どうぞ見つけてぜひ繰り返しお聴きになってください。

②一段を費やし衣装の事を書きましたが、ジャケットイラストもロゴも原案から最終チェックまでTakeshiさんです。「僕は(デザインの事は)わからない」というのもご自分を知らなすぎで、何が格好良くて何がそうでないかをとてもよくご存知の方だと思います。ジャケットロゴ、とても美しい出来上がりと思いますのでそうですね、月を見る様に何度も飽かず眺めてくださったらうれしいです。

③Takeshiさんに何も敵うものがない、と思いながら、そうだ、わたしはそろばん3級・・・と思い、そう言ったら「僕、2級です。」と言われてまた負けでした。天才は計算も早かった。月の綺麗なレコーディング帰りでした。


何回もTakeshiさんを天才と思う、と簡単に書いているようですが、本当にそう思っていて、そう思う方と一度音楽を作ってしまうと、この先音楽にこうやってまた歓喜(苦しみでもあったわけですがそれもまた音楽の歓喜であります。)を見つけてゆけるのだろうか、という不安で実は今はいっぱいなのが正直なところです。でも『THE MOON RISING』の中には、とにかく希望を沢山沢山沢山込めました。この作品がまた、わたしをもっと遠くへ連れていってくれるし、この作品に出会って聴いてくださる皆さんを希望ある場所へお連れするものであったら、こんなにうれしい事はありません。
Mx.MOONをお聴きくださっている皆さん。そして、この先、出逢ってくださるであろう皆さんへも。
わたし達(達、と敢えて書きます)は、あまりにも沢山のものを失い、失っては、また歩いてきたのだと思います。この作品では過去も未来も同じ胸にいだいて歌いながら、ただ一番に一途に、強く、希望を思って作りました。それが、お聴きくださる皆さんお一人お一人にとって、光あるものでありますように。歌い放した歌が、皆さんのお胸で、どうか永く愛される音でありますように。受け止められず泣いて消えてゆかねばいけない音ではありませんように。音とは歌とは、人が、わたしが生もうとしなければ生まれてこなかったものなのですから。どうか良き音でありますように。


・・・結びには、わたしが今回この『THE MOON RISING』という作品の制作途中、何度も、何度も、本当にそうだなあ!と思い出す事になった、SHALさんの言葉を記します。


Takeshiさんは、音楽に関してだけは、真っ直ぐだから。


真っ直ぐなTakeshiさんに幸いを。心から祈ります。歌の中でいつも祈ります。あなたが音楽の中で幸福であるように。Aki


わたしたちは同じ月の下で。皆さんに再びお会いできるMx.MOONでありますように。

おまけの試作秘蔵映像、ここだけで見られる動くMx.MOON🌙


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