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「二日月」(フツカヅキ)

「風の時代」が始まる。そう言われた時を覚えています。

忘れられない風に吹かれた日の思い出があります。
人生の中であれほど大きく心地よく吹きぬけた風に
会った事がまだありません。
海辺、砂浜、星の宵に轟轟と大きな塊になって吹き抜ける、
少しも熱くも冷たくもない、髪をまきあげて吹き渡るあの大風。
風、と聞くといつもその風を思い出します。
そんな風に吹かれた思い出を人生に持った事を
この上なく幸せに思います。
その風を思い出してこの曲を書き始めました。
よい風が吹くとよいなあ、と。
辛い別離を、傷を、痛みを、悲しみを、過ちを、孤独を、無力感を、
洗い吹き飛ばしてくれる大きくよい風が吹くように心から望んでいました。
自分の為にではなく。


5カ月連続リリースの5部作がここで結ばれました。
そしてここからどの曲へも飛べるし、どこへ還っても来られます。
そういう組み合わせになりました。
5曲全ての「情報」が入っているイラストレーターBeBeさんの美しいジャケットを、見る人によって幾通りにも意味の読み取れる不思議なタロットカードの絵を読むように眺めます。
BeBeさん、この5曲の旅を彩ってくださってありがとう。



「二日月」、最初この曲の英語版の紹介文にしようと思って使わなかった文をここに記しておきます。歌詞の中からぬきとり、意訳しました。

'The wind and we go hand in hand looking at shining stars from here.'

君と手を繋ぎ歩く、星仰ぎ歩く。


ここから続く、ここから始まる新しい道。
その道によい風が吹き、悲しみを薙ぎ払い、吹き抜け通り過ぎ、
新しい光が差し込む為にほんの少しだけ自由になる場所を
わたし達皆の胸に、世界に、いつも作ります様に。
わたし達皆の繋いだ手が、やわらかくでも二度と離れずに
結ばれてゆきます様に。
世界へ愛をこめて。

二日月の夜に。今日は短めです!ありがとう!どくろくらげ(歌)


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