そのお弁当に詰まっていたもの
高校生の頃、母がほぼ毎日持たせてくれるお弁当が実はあまり好きじゃなかった。
ぼくの母が詰めてくれるお弁当は、蓋を開けると思いっきり一方に片寄っていることがしょっちゅうだった。もちろん僕の運び方が多少乱暴なせいもあったかもしれないが、きっと母はごはんやおかずをぎゅっと詰めずにふわっと詰めていたんだと思う。そのくらい尋常じゃない片寄り方をしていた。
また母は肉じゃがを汁っぽいまま入れてしまうので、性能のあまりよろしくない当時のタッパーではその汁がこぼれてしまい、よく教科書の角