わたしをあなたにしてくれるのはきみだ
君が私のことを「あなた」と呼んだ時、わたしははじめて「あなた」になる。
私だけでは、《わたしはあなたになれない》
君もまた、誰かに「あなた」と呼ばれる時、はじめてあなたになるのだ。
わたしから、ぼくから、「あなた」になる。君は、わたしにも、あなたにもなれる。
立つ場所によって側にいる人によって、ポジションはくるくると遊園地のコーヒーカップみたいに移り変わってまた戻ってきたりする。
呼ばれる名前ごとの自分がある。
世界にわたしはひとりしかいないけど、世界にはいろんなわたしが存在している。
一人では生きていけないってありふれた言葉のひとつだけど、一人だったらわたしはわたしにしかなれなくて飽きちゃうからかも知れない。
自分以外の存在があって初めて自分を認識できることをどんな風に捉えようか。
自分がいることで誰かが傷つくことや救われる可能性についてどんな名前を付けようか。
今ここにある思考すら一人のものではないことをどう自分で説明しようか。
人生は続くから、こんなことだってたまには一緒に考えたいな。
君があなたと呼んでくれるから、私は君の前であなたとしてのわたしになれるんです。
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