親になってはダメな毒親9…ある大嵐の夜の出来事
私が日本に帰国した時、とても親切に私の事を可愛がってくれたおばさんがいた。「池田さん」だ。
私よりも一周りくらい年齢が上の娘さんが二人いた。
七五三の着物を着た私と高校の制服を着たお姉さんと三人で笑った写真があった。
小学一年の八月最後の日の事である
台風が上陸して大嵐の夜だった。
大粒の雨が窓ガラスを叩きつけ、大風の唸り声を上げる音が不気味だった。
その日は、父から算数を教えてもらっていた!
父 : 3 たす 2はなんだ?
私は指を使って5と答えようとした時、
指を使うな!!と私の手を叩いた!
父 : 3 たす 2はなんだ?と声が荒々しくになった。
私は 「5」と答えた
父 : では 2 たす 3はなんだ?
また指を使おうとしたら
指を使うなと言ったはずだ!!
なんで解らないんだ!!
と怒りのスイッチが入り
お前なんかお父さんの子でない!!
出ていけ!!
ごめんなさい!!ちゃんとやるから許してください!!
このアンポンタン!!バカ!
頭の悪い子はお父さんの子じゃない!!
私の手を引っ張って玄関先へ…
一生懸命抵抗したら
母も便乗して私の手を引っ張り
力付くで私は玄関の外へと出された!!
家の中からカギが閉められ、
戸びらから窓からすべて締め切った!!
大嵐の中、私は家の中に入る事ができなくなった!
空を見上げた…真っ暗かった!
大木が大きく揺れて、木々の合間に走る大きな稲妻!
続いてなる雷がガッシャン!ゴロゴロと
絶え間くなり続ける!
大粒の雨が私の衣服を一瞬にビショビショに濡らした!!
誰か助けて!こわいよ~ こわいよ~
その時頭に過ったのがいつも優しくしてくれた
「池田さん」!!
池田さんのお家へ行こうと・・・
誰もいない暗い中、走った!
池田さんの家の前に立ってドアを叩いた
こんな嵐の夜に誰だろう!!と
「ハイ!」と声が聞こえ、ドアが開いた!!
私の姿を見て『こんな嵐の真夜中に何事?』とびっくりした顔が見えた!
「こんなに濡れてぇ~風邪ひいちゃう!中に入りなさい」と家に入れてくれて温かいものを飲ませてくれ、「お姉ちゃんが使っていた服だけど着替えなさい」と・・・
しばらく温かい部屋でじ~っとしていたら、
玄関先で聞いたことがある声が聞こえた!
両親が傘をさして私を迎えに来た!!
私は家に帰ったが・・・その後の事は覚えていない!!
この出来事から近所の人たちの目つきや、風当りなど・・・私から見ても明らかに変わったのは解った。
嵐が過ぎ去った翌日は良く晴れた日だった。
池田さんは近所の方たちに嵐の夜の出来事を話したようだ!!
「昨日はすごい嵐だったよねぇ~、お宅何ともなかった?
実は、びっくりした事があったのよ~
昨日の夜、あの大雨の中に●●さんの娘さんが全身びしょぬれで私のところに一人できたのよ~
こんな嵐の中、あの両親に外に出されたみたいよ!!いくらなんでもあんな小さい子どもを…どうかしてるわよね!」
そんな話題が近所じゅうで持ち切りになった。
近所からの風当たりと鋭い視線、家の中では父からの叱責や忠告・・・学校での私の様子について担任の先生から忠告に一人耐え忍ぶ母!
母方の祖母から何かにつけて連絡が入り娘である母や私を心配するどころか
いい気味!という言葉を投げつけられ
優秀な高校、大学卒というプライドはズタズタなのが精神的に追い詰めてしまったようだ。
心のよりどころなどないまま、劣等生で問題児の私に向き合わないといけない・・・そんな毎日だったろう
私に対して八つ当たりはすごいものだった!!
父不在時、母は喚き散らし殴りつける毎日!!
ひたすら「ごめんなさい!ごめんなさい!これからちゃんとするから許して」
母は「ごめんなさい言って許してもらえると思っているの?ごめんなさい言って許せたら警察要らない」と・・・
あんたの事絶対許さない!
こんなやり取りをお隣に住んでいる渡辺さんという方に筒抜けだった!!
時々、母に買い物に突き合わされ道を歩いていたら渡辺さんと顔が合った。
ものすごい形相でこちらをにらみつけていた。
「渡辺さん!怖い顔でこちらを向いていたよ!」と言った私に
母は「渡辺さんはあんたの事を怒っているんだよ」と!!
そうなんだぁ~私がばかだからだ!と納得した!
そんなある夜
玄関先で「ごめんください」という声が聞こえた!
渡辺さんだった。
「お母さん!誰か来たよ!」と母に言ったら
「あんたが出てよ!すべてあんたのせいなんだから!」と言われ
出てみたら
「お母さん!いるんでしょ!お母さん呼んできて!」と言われた。
母を呼んだら、「役に立たない子だ」と私をにらみつけてなにやら渡辺さんと話してた。
帰った後、すべてあんたのせいだ!と私を殴り、またごめんなさいと泣いた。
また、渡辺さんが舞い戻ってきて
「うるさい!いい加減にしてください!」
そんな事があった秋の深まったある日
優しそうなおばさんに声を掛けられた
「大丈夫!何かあったら何でも良いからおばちゃんに話しなさいね」と
時々庭に男女が私の様子を見に来るようになった!!
私はその時は解らなかったが、
どうやら近所の誰かが保健所に通報したようだ!!
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