祓い下げの品part1
影もすっかり伸び切った頃、シャッターが半分降りた見窄らしい古物屋の奥で、湯呑2つだけ乗せたカウンター越しに男が二人話し込んでいた。
「美味いお茶だね。何年物だい?」
椅子に座っている手前の男が、空になった湯呑を奥の男に差し出した。手前の男は客で、奥の男は店主らしかった。
「緑茶に何年物も何もありませんよ。ただの新茶ですよ、静岡茶。」
湯呑を受け取った店主は慣れた手付きで、茶を注ぎ直した。店主から湯呑を満足そうに受け取った男は、口を開いた。
「どうだい、商売の方は。相変わら