世界共産主義革命=グローバル資本主義
マルクスや共産主義者が目指した世界共産主義革命の実態は、
国境を超えてグローバルで活動する企業が世界経済を独占的に支配する、
となります。
2023年現在、世界共産主義革命はしっかりと世界で実現しており、
一般的には、「グローバル資本主義」と呼ばれています。
共産主義がグローバル資本主義を生み出した、のであって、
「悪の資本主義と戦う正義の共産主義」という物語、
この物語は、「自作自演の詐欺」という共産主義の伝統芸である。
人類史において「資本主義」という言葉は「共産主義の敵」として登場しました。(1)従って、「資本主義」という言葉は「共産主義の敵」以上の意味はありません。
共産主義がなぜ正義なのか?、それは資本主義という悪と戦うからである。
資本主義という悪がこの世から消えれば、共産主義という正義の存在意義が無くなる。従って、資本主義という悪が無くなって困るの人々とは、共産主義者である。共産主義が正義であり続けるためには、資本主義という悪がこの世に存在し続けなければならない。
よって、共産主義者にとって一番大事な事は、資本主義という悪をこの世に生み出し続ける事となる。その際、目的は手段を正当化するので(レーニン)、嘘、デマ、事実のねつ造、何をやっても構わない。従って、共産主義の特徴は、「現実を創造する権限を、共産党が握る」となる。
1937年にソ連ではじまったスターリン大粛正の時代に、
ソ連建国の五年前に亡くなった人が粛正の対象となった。
共産主義において、「ソ連建国の五年前に亡くなった」という歴史的事実はどうでも良いのである。なぜならば、「現実を創造する権限は共産党が握っているから」であり、共産党は歴史的事実をいくらでも創造できるからである。
例えば、共産主義者は核兵器を二つに分類していた。
共産主義国家の核兵器は平和を守るきれいな核兵器であり、
資本主義国家の核兵器は平和の敵で汚い核兵器であると。
ヒロシマ、ナガサキの被爆者の体験談を聞けば、「きれいな核兵器」なんかこの世に存在しない事は子供でも分かるはずである。
しかし共産主義者は認めない。なぜならば共産主義が正義で無ければ困るからである。そして、共産主義者には被爆者の体験という事実は必要が無い。
なぜならば「現実を創造する権限は共産党が握っている」からである。
一言で言えば「何もかもが嘘」。
共産主義が正義であるために嘘が必要なのである。
なぜ嘘が必要なのか?、それは共産主義自体が大嘘だからである。
「嘘とうそとウソ」これが共産主義の伝統である。(3)
1848年2月にマルクス、エンゲルスが発表した共産党宣言、本文はこの一言から始まる。
「これまで存在したあらゆる社会の歴史は、階級闘争の歴史である。」
まず、これがウソである。
例えば、世界の歴史にて、古代から受け継いできた人々が商品を求めて集う市場(いちば)は、そもそも人々の交流の場であって、階級闘争の場ではなかったはず。
しかし、共産主義者は認めない。
認めてしまうと、自らが正義の立ち位置に立てなくなるから
人々の交流の場である市場(いちば)は、人間が人間を搾取する階級闘争の場である市場(しじょう)でなければならない。
もし、そうでなければ、現実が間違っているのであって、現実の間違いを正し、共産主義が正義であることを証明するために、共産党が現実を創造しなければならない。
人々の交流の場であった市場(いちば)を、階級闘争の場である市場(しじょう)にすること、これが共産主義者の課題となる。このケシカラン市場(しじょう)を万能視する考えが、資本主義という悪である、と決めつける。こうすれば共産主義は悪を成敗する正義になる事ができる。
マルクスは共産党宣言にて このように述べている。
最先進の諸国では、次のことはかなり一般的に当てはまるだろう。
5、国家資本をもち、排他独占的な国立銀行による、信用の国家の手中への集中。
現在の日本は、日本銀行が日本銀行券を独占的に発行する体制である。
諸外国も同様であって、マルクスが目指した排他独占的な国立銀行は、現在の世界で実現している。
ここで、日本の歴史を振り返ります。
歴史上、最初に「楽市」を実施したのは1549年近江国の六角定頼だったと言われています。
「市」とは、多くの人が集まって物資の交換や売買などの取引をすること、またはその場所を指しています。奈良時代の律令制まで歴史を遡る事が出来ますし、四日市市など、「市」が開催される期間が地名になったりしています。
「座」とは中世に朝廷や有力な公家、寺院などから保護され、お金を払う代わりに商品の販売や営業を独占する権利を与えられた商工業者や芸能者の団体のことです。
1577年織田信長は安土城下に「楽市楽座令」を出しました。
「楽市」によって市場税を免除したことで誰でも自由に市に参加できるようにし、また「楽座」により「座」の特権を廃止したことで、多くの新しい商人が取引に参入するようにしていきました。
織田信長の未来デザインを参考にしながら、豊臣秀吉や徳川家康が動いた、とすれば、織田信長の楽市楽座、関所の廃止は
既得権益の打破と人々の自由な経済活動の推進を目指していた。
その延長線上に豊臣秀吉の太閤検地と江戸時代の石高制があります。
石高制の下では、お米が貨幣であり、不作であれば年貢が減ります。
政府の財源を安定化させるために、明治政府は石高制を廃止して
税をお米ではなく日本銀行券で納めさせるようにしました
これが1873年の地租改正です。
1873年の地租改正の25年前である1848年に出版された書物がマルクス、エンゲルス著の「共産党宣言」でした。
共産党宣言にてマルクスは共産主義が進んだ国の特徴の一つとして
国家資本をもち、排他独占的な国立銀行による、信用の国家の手中への集中。と述べていました。
国立銀行が発行を独占する日本銀行券によって、国家が税金を徴収する地租改正とは、マルクスの提案を実現することです。
マルクスの提案を実行した明治政府の地租改正の結果、
税金を払えない小作人は、都市へ流出し労働者となった。
石高制の下では、お米が不作の年は、納める年貢は少なくて済んだ。
地租改正の結果、政府は安定財源を確保できたが、
不作の時でも、小作人は一定の税金を支払わねばならなくなった。
不作の時は、小作人は貧困の陥った。
豊作の年であっても、お米の価格は下落して、小作人の貧困は変わらなかった。
こうして、税金を払えない小作人は土地を捨て、都市へ流出し労働者となった
現在の田舎でも事情は変わらない。
お米を作るよりも買った方が安いから
荒れ果てる田んぼが年々増加している。
マルクスの共産党宣言が都市労働者(プロレタリアート)を生み出し、
資本主義を発展させた とすれば、
共産主義が人々の交流の場であった市場(いちば)を、人間が人間を搾取する階級闘争の場である市場(しじょう)にしたのであり、
共産主義が資本主義を発展させた、となります。
第二次世界大戦中、戦後の世界経済を議論するブレトンウッズ会議が開催され、アメリカ代表のハリー·ホワイトの案が勝利して、IMFと世界銀行が創設されました。
のちにハリー·ホワイトは共産主義者であると告発を受け、
1948年夏に下院非米活動委員会に出席した三日後、ニューハンプシャー州の自分の農場にて心臓発作により死去。これはジギタリスの大量服用による心臓麻痺で、自殺だったと言われています。
ちなみに、日米開戦の決定打となった「ハルノート」も原案を書いた人はハリー·ホワイトであり、日米交渉決裂時のアメリカ国務長官コーデル·ハルは、1945年にノーベル平和賞を受賞している。
また、非米活動委員会にて、いわゆる赤狩りを推進した人が若き日のニクソンで、共産主義者が生み出したブレトンウッズ体制を終わらせた人が、
ニクソン大統領です。
戦後、ソ連のコミンテルン指導の下で生まれたブレトンウッズ体制の金本位制とは、ドルを(金との引換券)にすることである。
ニクソン大統領は1971年8月15日にドルを(金との引換券)にすることを辞めると発表した(ニクソンショック)
目的は、「世界の通貨安定の柱としてのアメリカのドルの地位を守らなければならない」
しかし、結局、ドルが(金との引換券)から(石油との引換券)に変わったに過ぎなかった。(ペトロダラーシステム)
このペトロダラーシステムをまねたのが中国である。
2023年8月現在、BRICKsが金本位制を復活させようとしているが、
いつかドルと同じ道をたどるであろう。
ハリー·ホワイトがソ連のスパイであったとすれば、戦後の西側経済はソ連のコミンテルンが決定したのであり、戦後の西側経済は共産主義である、となります。
世界各国に排他独占的な国立銀行が生み出され、世界各国にお金を貸し、返せなければその国の政策を支配するIMFと世界銀行が創設されれば、世界経済を独占的に支配することが可能になります。
マルクスは、共産党宣言の最後に 万国の労働者は、団結せよ! と呼びかけています。つまり、国境のない未来を目指しています。
また、現在のグローバル大企業であるアマゾン、グーグル、アップルなどは企業形態としてLLC(合同会社)を採用しています。合同会社とはすべての社員が、経営者かつ労働者であり、資本家と労働者の区別が存在しない会社です。
祖国を持たない労働者が経営する多国籍企業が、世界経済を支配している、
このプロレタリア独裁が現代社会で実現しているのであり、
資本主義をグローバルに展開する仕組みを創設した人々は、
共産主義者である、となります。
このように考えると、マルクスや共産主義者が目指した世界共産主義革命とは、国境を超えてグローバルで活動する企業が世界経済を独占的に支配する、となります。
マルクス主義を掲げる人々が目指した夢は、現代社会でしっかりと実現できていて、それは一般的に「グローバル資本主義」と呼ばれています。
つまり、マルクス主義の行きつく先がグローバル資本主義である となります。
共産主義が正義であるために、共産主義者がまずは「グローバル資本主義」という悪を生み出しました。これらの悪を成敗するために、共産主義という正義が必要なのだ。と世界に訴えれば、共産主義こそが正義の味方となり、「お金儲け」が可能になります。ただし、実態とは共産主義の自作自演詐欺なのであって、誰かの金儲けのために共産主義が生み出され、共産主義の自作自演詐欺のために生み出された言葉が「資本主義」なのでしょう。
マルクスの復活を掲げる斉藤幸平さんはこのように述べています。
社会主義は成功して、グローバル資本主義が生まれた が歴史的事実である
が僕の意見です。
このような意見は、壮大な詐欺である。
そして、共産主義が人類に何をもたらしたのか をごく普通に考えれば
人類に対する犯罪行為である、と僕は考えています。
(注1)
「資本主義」という用語は、1850年にフランスの社会主義者ルイ・ブランによって現代の意味で使用され、「私が資本主義と呼ぶものは、ある者が他者を締め出す事による、資本の占有である」と記した。
ルイ・ブラン 一言で言えば、マルクスの先輩
フランス第二共和政期の社会主義者の政治家、歴史家。
二月革命後に臨時政府に入り、労働時間の短縮をおこない国立作業場を設立した。
彼の「各人がその才能に応じて生産し、その必要に応じて消費する」
という言葉がゴータ綱領批判や共産主義者に影響を与えた。 https://ja.wikipedia.org/wiki/ルイ・ブラン
(注2)1962年8月にヒロシマで開催された第8回原水爆禁止運動世界大会において、
日本共産党は(1)平和の敵・アメリカ帝国主義の打倒
(2)社会主義国の核実験は平和を守るためであり支持する を主張した。
1962年8月5日 大会二日目の真っ最中、ソ連が核実験を行う。抗議するか否かで大会は大混乱したが、多数決によって「抗議しない」と決定された。
https://ameblo.jp/dokomademodoor/entry-11614145368.html
(注3)後に大統領となったヴァーツラフ・ハヴェルは、共産党一党独裁体制であったチョコスロヴァキアの政治体制を「ポスト全体主義体制」と呼び、1978年発表「力なき者たちの力」で、このように述べています。
ポスト全体主義体制は、人間が一歩踏み出すたびに接触してくる。もちろん、イデオロギーという手袋をはめて。それゆえ、この体制内の生は、偽りや嘘ですべて塗り固められている。官僚政府は人民政府と呼ばれる。人間に対する徹底的な侮辱は、人間を完全に解放するものとしてなされる。文化を抑圧することは、文化の発展とされる。表現の不自由は、自由の最高の携帯とされる。選挙の茶番は、民主主義の最高の形態とされる。
権力は自らの嘘に囚われており、そのため、すべてを偽造しなければならない。過去を偽造する、現在を偽造し、未来を偽造する。統計資料を偽造する。全能の力などないと偽り、何でも出来る警察組織なんてないと偽る。人権を尊重していると偽る。誰も迫害していないと偽る。何も恐れていないと偽る、何も偽っていないと偽る。このような韜晦「とうかい」のすべてを信じる必要はない。だが、まるで信じているかのように振る舞わなければならない。いや、せめて黙って許容したり、そうやって操っている人たちとうまく付き合わなければならない。
だが、それゆえ、嘘の中で生きる羽目になる。
嘘を受け入れる必要はない。嘘の生を、嘘の生を受け入れるだけで十分なのだ。それによって、体制を承認し、体制を満たし、体制の任務を果たし、体制となる。
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