吃音持ちの自分が看護学校の面接でぶつけた思い
高校時代、何回も何回も教員と面接練習をしたけど吃音が酷く出て全く喋れないまま迎えた一般試験当日。面接が始まって直ぐに面接官に「吃音というものを持っていて、緊張した場面でスムーズに言葉が出てこないことが多々ありますが、一生懸命頑張りますのでよろしくお願いします。」と伝えた。まあ流石に看護学校の教員だからすぐに理解してくれた。そんなこんなで始まった面接、在り来りな志望動機やら自身の長所・短所、男子が少ない世界だけどどのようにして頑張っていきたいか、とか色々聞かれたけどもうなんて答えたかも忘れた。全然喋れなくてすごく時間がかかったことだけは覚えてる笑 そのまま時間だけが経って、焦りだけが先走って全身の汗が止まらなかった。またアピールできないまま終わってしまう、どうしよう。そんなことばかり考えていた。「これで面接終わりになります。」試験管の言葉が聞こえた時、このままじゃダメだって思ったのかな。何でかわかんないけど気づいたら自分が「最後におひとつよろしいでしょうか!」って試験管に必死に伝えていた。その後言った言葉は今でも覚えてる。準備も何もしてなかったけど、その時は比較的スラスラ思いをぶつけられていた気がした。「私は生まれた時から病弱で幼い頃から入退院を繰り返していました。慣れない環境で1人で病気と闘う不安。自分だけが学校に行けず友達にも会えない辛さ。そんなことも考える余裕もない術前の恐怖。点滴がなかなか思うように入らず何度も何度も針を刺される苦痛。全て経験してきました。なんで自分だけこんな目に遭わないといけないのか、ほんとに自分の人生が嫌で仕方ありませんでした。でも、だからこそこの会場にいる誰よりも患者の抱える苦痛を分かってあげられる自信があります。また、物心ついた時から吃音があります、頭の中では言葉が整理できていても思うように話すことができない苦痛と日々向かい合っています。ですが、この学校での3年間で自分の吃音をプラスに変えられるような自分なりの看護を見つけていきたいです。他の学生の誰よりも看護師になりたいという気持ちは強いと思っています!ですので、よろしくお願いします!」
この言葉、この先一生忘れることはないだろうし、忘れたくない。こんなにも恥ずかしいくらいに自分の気持ちを相手にぶつけたのは初めてだったから、もうこれで落ちたら落ちたでいいや!全部気持ちはぶつけた!!って清々しい気持ちだった笑
吃音があったらそりゃあ看護師として最も大事なコミュニケーションに障害が出るし、ないに超したことはないけど、あるんだもん仕方ないよ。そこは変えられない。でも、これだけは言える。吃音を理由に自分の夢を諦めたくない。みんなそれぞれ抱えている辛さとかは違うだろうけど、案外自分を信じて気持ちをぶつけていけばどうにかなるかもしれないね。