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vol.9|仲間づくりで困難を乗り越える

2023年2月20日公開記事の再掲となります。

学校でのICT活用に訪れたさまざまな変化を、Google との出会いを切り口に語る本シリーズ。
今回は、ベテランでありながらもまだまだ挑戦し続けている、横須賀学院中学校高等学校(神奈川県)の佐藤 知道先生にインタビューしました。

佐藤先生はずっと教員でいらっしゃるんですよね?

そうですね。社会人2年目から専任教員として横須賀学院に勤め、今年で34年目を迎えました。もう、当時はワープロの時代ですからね。ワープロを使える人は最先端っていう感じでしたね。

共用のワープロが学校に4台あったんですけど、自分のワープロを買って持って行ってました。懐かしいですね。みんな、フロッピーディスクを使ってデータの持ち運びをしてました。

ーー最近でこそクラウドベースの方が安全という感じになりましたけど、フロッピーディスクやUSBでデータを持ち歩いてましたね。その時からICTには興味があったのですか?

新しいものが好きではありました。そもそもは、お恥ずかしい話、字が下手で、手書きが嫌だったというのがスタートではあるんですよ。プリントを作るのも手書きじゃちょっと嫌で、ワープロには助けられましたね。
あとは、四則演算程度ではありましたけど、成績もつけやすくはなっていきました。

Google とわたし

そんな佐藤先生が Google と出会ったのはいつ頃なんですか?

2014年に中学の担当になったんです。
その時、共用のiPadを購入し始めて、2015年には1クラス分のiPadが学校にある状態になりました。
2017年には中学全教室に電子黒板が取り付けられて、さらに校内のWi-Fiが整備されたんです。
中学1年生から1人1台の端末を持つようになって、どうやって使おうか...と考えていた時に Google に出会った感じですね。とにかく「無料」というのが大きかったです。

保護者に端末を購入してもらって、その中のツールにもお金がかかるというのは申し訳ないと思っていたので。それで、Google のツールを使い始めてみると、端末や場所を選ばずに使えるということの優位性を実感しました。

2018年中に全教員にアカウントを配布しました。その年のことだったと思うのですが、六本木で行われたGEGのイベントで精華小学校の向井先生が校務での実践例について講演されているのを聞いたのです。

その頃、少し悩んでいたことを相談したところ、「じゃあ行きますよ!」と快く向井先生が来校してくれて、2019年からは朝の職員打ち合わせを「共同編集」で行うようになったんです。これは大きな改革でした。

スプレッドシート にその日の会議や教員の動向、お知らせなどを書き込む形での運用も、この頃から始まり、今では当たり前のものになっています。

生徒の紛失物の情報共有も、以前は「このくらいの大きさで何色で...」となかなか伝えるのに一苦労だったのですが、今ではその商品のURLで共有したりもしています。(笑)

文化祭のパンフレットをサイトで作成

やはり一気に使用頻度が増えたのは、コロナの影響がありましたね。クラブのミーティングは登校が基本になった今でも Google Meet でやったりしています。あとは、 Googleサイト を使う機会は多いと思います。

PDFをサイトにまとめて配布物を管理したり、サイト内に埋め込んだカレンダーで行事予定を共有したりもしていますが、生徒会がイベント時に立ち上げるサイトが私は好きですね。

文化祭のパンフレットも今ではサイトで作成しています。QRコードの書かれた紙だけを配って、そこから専用サイトに飛んでもらうのです。そうすると、情報が変わった時にもリアルタイムに更新されますしね。

それは便利な使い方ですね。訂正の紙を挟むのはとても大変な作業ですものね。

あとは、保護者からの欠席連絡は Googleフォーム を活用しています。GASが組んであって、フォームを送ると保護者のアドレスに返信が行くようになっています。さらに、学年クラスを入力してもらっているので、それに基づいて担任にメールが届くようにもなっています。

少しずつの変化の積み重ね

長く学校現場にいらっしゃる佐藤先生ですが、「変化」を感じることはありますか?

私の学校で言えば、全教室に電子黒板が入ったことが大きかったかなと思います。今までやってきたことを変えたくないのが教員の性だと思うんです。私にもそういう所はありますし。でも実際のところ、やってしまえば、変えてしまえば、順応はするんですよね。

ICTで劇的に何かが変わるとは全く思っていないです。でも、ちょっと何かが変わる、そのちょっとずつが積み重なるのが大事なんじゃないかな。そして、教員はとにかく忙しいですから...手間を省く!これも大事ですよね。

よくわからないと「怖い」ですし、戸惑いもあるとは思います。それを乗り越えるには、仲間づくりが不可欠かもしれません。私の場合は、若い人たちを巻き込んで、若い人の知恵を借りるということに確信を持ちました。

そんな仲間たちと立ち上げたGEG Yokosukaでは、今年から「いまさら聞けないシリーズ」をやろうと計画しています。FacebookやGEG Yokosukaのサイトで随時告知をしていきますので、ぜひぜひご参加ください。

佐藤 知道
横須賀学院科学教育センター センター長|横須賀学院中学校高等学校 教諭(社会科)
GEG Yokosuka共同リーダー
1989年より横須賀学院中学校高等学校で社会科教諭として勤務。2000年頃から校内の教務事務システムの構築に従事し、校務のICT化に携わる。学習環境のICT化が進んだ今、もっと自由に、もっと幅広く活用して教育の可能性を拡げたいと願っている。

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