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vol.8|つながりを生み出すICT活用へ

2023年1月16日公開記事の再掲となります。

学校でのICT活用に訪れたさまざまな変化を、Google との出会いを切り口に語る本シリーズ。
今回は、「できるようになるまでとことん付き合う」をモットーに日々の教育活動に挑み続けるサレジオ学院中学校高等学校(神奈川県)の高木 俊輔先生にインタビューしました。

Google とわたし

2016年、学校で本格的にICTを導入することになりました。
元々SEだったという経歴もあり、校内の情報系の整備を自然と担当することになっていきました。
学校としては、当初、Office365を教員も生徒も利用していました。

校内のICT環境を整備するにあたり、情報収集のために訪れた教育ITソリューション展のブースが Googleとの最初の出会いでした。”無料”というのがとにかく大きかったですね。
現在では、Chromebook を全校で導入していますが、費用対効果は大変高いと感じています。その後、ICTに関する情報や、Googleのツールに関する勉強会を求める中でGEGと出会いました。

シンプルさがお気に入りの理由

一番よく使うのはフォームですね。小テストやアンケートなどはすべてフォームを使っています。紙にはちょっと戻れないくらい便利です。あと、 Gmail は普通に毎日使ってますね。

他社のツールと比較すると、なんとなくではあるのですが、「コミュニケーションツール」という要素がGoogleは強い気がしています。ちょっとした部分の仕様なのかな...これ!というのは表現が難しいんですけどね。
あとは、機能が多いということは、その分「重い」ということでもあるので、Google のシンプルさは魅力ですね。

使うことでわかることがある

よく話題になるテーマではありますが、ICTについては入れたから学力が上がるというものでは全く無いですよね。ただ、ICTをうまく活用することで、考える・考察する機会が広がるのは実感しています。時間と空間の節約になるんですよ。

例えば、英語の場合、英作文の他の人の回答の共有や添削にかかる時間が圧倒的に変わりますよね。英語に限らず、他の人の回答から学ぶことってとても多いので、共有がその場で即座にできるということはかなりの強みだと思います。近年の傾向として、知識・技能に求められるものが減っていないのに、思考力などが求められ始めていて...時間はキツキツですからね(笑)

ある程度事務的な作業の時間を圧縮して、思考力・判断力・表現力を育む方に割く時間を増やす。こういったことが、ICTの利活用で実現できると私は思います。

また、よく言われることではありますが、学校や距離を超えることがICTではやりやすいですよね。ICTが必要ないという人でも、時間は要りますよね? 理科だったら、実験をする時間をつくるためにICTを使いましょうよと伝えています。

大切なことは、食わず嫌いをせずにいろいろと使ってみて、それぞれが何をどう使うかを判断すれば良いのだと思います。

空間の繋がりを生み出す

今後は、空間の繋がりをもっとつくっていけるのではないかと思っています。自分の学校だけではなく、外の学校とつながることが当たり前になっていけば、教育はもっと面白くなりますよ。国内だけではなく、海外も含めてのことです。

理科だったら、大学の教授と繋げるとか、実験や発表を外部の人に評価してもらうとか、色々な可能性が考えられますね。

例えば、今行っている実験が何につながるのか、理科は意外と未来が見えづらいと感じています。それが、化粧品に繋がっていることがわかり、さらに化粧品を開発している企業の担当者と繋がれたりしたら、ワクワクする展開が待っていますよね。こうした生徒たちの好奇心をくすぐるような機会を、もっと気楽につくっていけたらと思います。

大人が挑戦せずに、生徒が挑戦するはずもないので。仮に失敗したとしても、その中で何を得て何を修正していくか、そうしたことが学びだと思っています。

高木 俊輔
サレジオ学院中学校高等学校理科教諭(情報委員会)
GEG Yokohama共同リーダー
東京大学大学院を卒業後、一般企業でSEとして2年間勤務。その後、2012年より母校サレジオ学院中学校高等学校にて勤務し、現在に至る。コロナ禍では急速にICT化が迫られた全国の教職員・生徒のためにGoogle Workspace for Education の解説動画を公開。「できるようになるまでとことん付き合う」をモットーに、普段の授業や先生方のICTのサポートに取り組んでいる。


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