今日の日記は妄想と思って頂いて結構です

先日、
【討論】総裁選・米大統領選の知られざる実態[桜R6/9/17]
という番組を拝聴した。
大井幸子さんというパネリストが55年体制の崩壊が訪れるだろうと申しており、僕はそれを聴いてビクッとした。
55年体制とは、嘗ての自民党と社会党の左右対立構図を指すのだろう。今だって半分崩れかけてはいるが、大雑把には自民党vs立憲民主党が続いているのだ。
2012年から維新の会が登場した。新たな第三極である。本当かどうかはともかく装いは保守。転じて民主党の党首は当時も野田佳彦氏。こちらも一応保守と呼ばれている。自民党はどうだったかというと、石原伸晃氏が総裁選において一番の有力候補とされていたのだ。自民党長老の助言をよく伺う人物らしく、とてもマイルドな人物だったらしい。実際、野田民主党との相性も悪くないらしく、民主党・自民党・公明党の三党合意を谷垣自民党幹事長という立場で合意してしまったのである。
もしも仮に2012年自民党総裁選の際、石原伸晃氏が総裁選で勝っていたら、野田民主党とバチバチに戦っただろうか。民主党はこの時言わずもがな崩壊寸前であった上、突っ込みどころ満載であったのに、谷垣自民党は戦うでもなし戦わないでもなし、のらりくらり戦略をとっていたのである。当時「政界大連立」の噂が密かに囁かれていたが、グダグダのままくっついてしまおうと考えていたのでは?と勘繰られてしまっても仕方がないくらい、自民党はだらしがなかったのだ。
しかし、結局蓋を開けてみると安倍自民党が登場したのである。勿論安倍氏も自民党ではあったが、三党合意を決めた谷垣石原伸晃ラインとはまた別なのであって彼も不満を抱いていたらしいのだ。だからこそ同じ派閥の町村氏を押し退けてまで出て来たのである。同じ派閥と言えど町村氏と安倍氏はグループが違うのだろう。安倍氏はこのままだと「大連立」の大波の中冷や飯を喰わされてしまう思いではなかったか、だから名乗りを上げたのではないか。僕が勝手に思ったのではなくて、そういう事を指摘する識者がいたし、現在だって少し状況が似ている気がするのである。
もう少し2012年の状況を確認しよう。安倍自民党の登場によって「保守」のポジションは埋まった。維新の会の存在価値は急速に失われていったのだ。「リベラル」は言うまでもなく民主党なので、ここに55年体制が復活したのである。保守っぽい野田民主党と同じく保守っぽい谷垣自民党、加えてリベラルっぽい公明党が集まって「中道」という旗の下、何のやる気もない巨大与党が現出する可能性もあったのだが、たまたま実現しなかったのである。

大井幸子さんはこの線が「まだ生きてるよ」と僕に思い出させたのであった。そして今政界がどうなっているか。昨日見事、野田佳彦氏が返り咲いたのである。ピースは確実に一つ埋まったのだ。あとは、自民党の頭を誰にするか。軽さというかキャラクターの点において、石原伸晃と小泉進次郎が被って見えるのだがいかがだろう。安倍さんと高市さんが被るのは言うまでもない。なんだ、石破茂に至ってはまだ現存しているではないか。小泉進次郎が選ばれたら直ぐに解散総選挙だ、そして自民党大勝だと言われているが、本当にそうだろうか?確かに直近はそうかもしれないが、小泉進次郎を推している集団は大戦略として「大連立」が念頭にあるのではないか。だとすると、旧安倍派は気を付けねばなるまい。またいつ、マスメディアを通じて“統一教会”であったり“裏金”といったリークが為されるか分かったものではない。リークが一つあれば、現在低調の立憲民主党や維新の会も息を吹き返すのである。旧安倍派は粛清を恐れ今必死に「保守女神」高市早苗にしがみついているのではないかと考えると総裁選がまた違ったように見えるのである。
萩生田光一氏や西村康稔氏あたりは最後の最後まで態度をはっきりさせないだろう。始めから「高市支持だ!」と勢いよくやってしまうと、冷や飯喰いだけにすまずトドメの一発を入れられてしまうかもしれないし、かと言って早々小泉進次郎に乗って自分の死刑執行書にサインするのも癪なのだ。もうこれで大丈夫だ、神様が2012年の安倍さんを選んだように、神様がまた55年体制を選んだのだろうと確信するに至ったらこっそりいつの間にか高市氏に乗っかる筈だ。
ただし僕はもう「それ行け高市!」とは言わないのである。それが大して良くなかったことは歴史が既に証明済みだ。

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