第八十七回文芸部短歌大会 テーマ『雨』/文芸部一同

第八十七回文芸部短歌大会 テーマ『雨』
文芸部一同

乾かない干す洗濯物梅雨の部屋それでも乾くウェットティッシュ

相合傘ってそんなに楽しくないだってあなたと手が繋げない

降ってくるのが梅ならと笑う君ほんの少しだけ雨を好きになる

仮病とか午前一時のアイスとか全部気圧のせいにしようよ

考えろ雨宿りとは別の理由君と一緒に見た陽を呪う

通り雨共に駆け抜け笑う友今日の空はその目にあるか

梅雨空やビニール傘が縁取るは野良猫眺める君の横顔

「入れ墨よ」袖を捲り上げ見せる君地に墜ちるのはどうか雨だけで

鏡張りの田んぼに見惚れ気づかないすぐ側に寄る狐の嫁入り

まんまると太った可愛い三毛猫と雨の中では疾風のごとく

しゃらしゃらと軽やかに鳴る簪は雨に濡れても澄ました音色

憂鬱の雨に打たれて卒倒中冷たいベッドに赤青紫

傘一つ並んで歩くその肩のあと五センチを縮められたら

空色のあなたの傘を追いかけて靴下濡らす六月の午後

梅雨の時期文学青年アピールの暇つぶしLINEマジ勘弁

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