【新規事業は一つでいい?】新規事業創出部署という異形部署

本記事の要約
・大企業は「新規事業を連続して起こす」ことを目指すがそれは違うのでは?
・新規事業とは新規市場への参入+そこでの商品提供と捉えられる
・新規事業とは長期的への市場コミットを伴う。「参入だけ」を目指すのではなく「参入し事業を育てること」を意識し、目指すべきだ

新事業を創出することに対して、大きい会社の場合「新事業を起こし続けられる組織を創る」ことを標榜しがちですが、別に「新規事業を起こし続ける」必要なんてないのでは?と疑問を持ちました。

これは 新規事業の創出の定義次第なんですが、例えば以下のような定義をしてみます。

新規事業創出=(新規市場への参入+そこでの商品提供)

新規事業を創出する必要がある会社ってのは、既存事業での成長性がなくなったから、新規事業領域として成長領域へ参入を目指したり、参入のしやすさを求め、子会社を創ったりします。
新規領域への参入って物凄いコストがかかるのでコストを下げるためにも既存の資源を生かした参入を目指します。ここまでの考え方は多分だれもが馴染むものと思います。

そもそも事業とは「参入した市場領域で顧客を見つけ、商品を提供しさらに顧客を増やしていくこと」と定義されています。

そのため事業領域を見つけたら、そこで顧客ニーズを把握し、適切な商品を提供し、顧客を獲得することこそが企業の役割と言えます。ですので、上記の既存領域で顧客が見つけられなくなった場合に新たな市場を探し、参入していくのは企業として正しい行動と言えますよね。

しかし、新規事業に2個、3個と参入し続ける、そのために会社組織を変え、新事業を起こすためだけの部署を新設するのは間違いなく不正解だと個人的には思います。

なぜなら、本来あるべきは、1つの新事業領域に参入したなら、そこにリソースを投入し、競争力のある商品を作り、売り、「既存事業に変わる新たな収益の柱にすること」。逆に早期に市場性を見限る程度の市場ならば参入する意味すらないからです。

詰まるところ、新規事業の創出(=新規市場参入)なんて本来は1つあれば十分で、大企業が目指すような「複数参入」はただの「リソース分散」でしかないとも言えるわけです。

とは言え、新規事業(新規市場)への参入は難しいので、100%うまくいく保証なんてないですよね。だからこそ、1つの市場で失敗しても対応できるような、2の矢、3の矢は用意しておく方が良いとは思います。私自身複数参入の可能性を否定したいわけではありません。

ただ、少なくとも言えるのが、新事業を「起こす」だけの人材・組織は不要だ、ということです。それはただの「ゴールドラッシュ時の坑夫」と同じで「一発当てよう」と一時的な利益を目指しているだけにすぎないからです。

事業は起こして終わりではなく、起こした以上は10年、50年、100年と市場がある限り続いていく、続けていくことを目指すもの。お客様が居てこその市場ですから、「参入できたし終わろう」は通じない世界です。だからこそ新規事業を起こすということは「新規市場でサービスを提供し続ける」覚悟も体制もリソースも必要になるんですよね。これが新事業を「起こす」だけの人と決定的に違う部分です。

だからこそ、本来の企業の目的である「新規顧客の獲得」を前提に考えるならば、新事業を起こせる人や組織というのは「新事業を起こし(=新規事業参入領域を見つけ)」、尚且つ「育てられる(=その領域で新商品を次々と提供できる)」人材であり、それを実現できる組織でなければならないということであり、新規事業を創出する組織ではなく「新規事業を起こし、そこで商品提供を続けられる組織」が本来必要な「新規事業創出組織である」と言えるのではないでしょうか?

あなたの会社の新事業創出部隊、ただの「新事業を起こすだけの部隊」になっていませんか?

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