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日本が中韓の企業に負けた理由、それは『世界を制して疲労困憊になったところを襲われたから』、という話
日本企業が中国や韓国のメーカーに敗戦し、買収されるのも珍しくなくなってきました。
なぜ日本のメーカーは中韓のメーカーに負けたのか、その点を元シャープのエンジニアであった中田行彦氏の著書『シャープ 企業敗戦の深層』を基に、改めて考えてみました。
引き続き読んでますわ
— どっこいしょうじ (@dokkoi_mktg) July 10, 2023
筆者の方はエンジニア→大学の経歴だけあって、経営判断に関しては「あ、こいつが経営したら持っも早くシャープ潰れてたな…」って感じですが、技術目線の分析はしっかりしてますわ
シャープが液晶で負けた理由を半導体となぞらえ『いいもの作れば売れる』に見いだしてます pic.twitter.com/xxLcvOt6tO
日本のメーカーは欧米企業の牙城を崩し、一時は世界を制しました。ただ、日本の企業の戦い方は『欧米が基礎を抑えた技術を使い、多くのコストを使い、商品化を行う』というところで、とにかく金はかかる反面規模も小さく儲かりにくい、日本のような大市場かつ消費力に優れた市場を持つからこそ成り立ったビジネスモデルだったんですわね。
この方の分析にもある通り、液晶も半導体も『欧州が発見し、アメリカが技術化し、日本が商品化して、中韓がビジネスにする』というところ、日本は技術から製品に転嫁する過程、つまりは開発投資が大きく、且つアーリーアダプタータイミングで『高くても買ってくれる』ところで商売してるんですわね
— どっこいしょうじ (@dokkoi_mktg) July 10, 2023
このタイミングは商品価値よりも『とにかく開発投資をかけて品質を上げ、良品を作らなければならない』タイミングなので、開発費がとにかくかかる
— どっこいしょうじ (@dokkoi_mktg) July 10, 2023
反面、顧客は一部のアーリーアダプターのみなので、購入価格も高いが品質要求も高い
さらに悪いことに、このときの成功を『日本の必勝パターン』として育った経営陣が、既に育ち切って『安く、大量に』が必要な市場で再現しようとして、結果戦い方を間違えなかった中韓のメーカーに負けていったんですわね。
結局、日本はこのタイミングで成功したため、『良いものは高くても売れる』という思い込みに囚われ、時代が変わる、使われ方が変わる、ニーズが変わる、支払い単価が変わる中でも『高くても品質』を追い求めて、結果中韓の『ニーズに合わせたそこそこ性能低価格』に負けて消えていく…と
— どっこいしょうじ (@dokkoi_mktg) July 10, 2023
何より悲しい話は、技術の発見も開発もしていないため、特許料など副産物もほぼ得られないという点ですわね…
— どっこいしょうじ (@dokkoi_mktg) July 10, 2023
ホントに『誰もやりたがらない儲からない場所』を進んで担ってしまうってのは、経営戦略が下手くそであり、エンジニアのある種のオタク根性(自分の好きにとことん取り組む)もあいまってる
材料領域(青色ダイオードとか)みたいに『製品開発=コア技術=変動の少ないニーズ』みたいな領域だと、研究成果がそのままカネになるのでいいんでしょうけど、液晶や半導体みたいな『商品ニーズがコロコロ変わる、基礎技術を組み変えただけの製品』の場合は、間違いなく戦い方としては中韓が正しいのね
— どっこいしょうじ (@dokkoi_mktg) July 10, 2023
何が正しいかといえば、『製品の特性が出きって、ニーズがいよいよ確定した時点で先行者が作った道(技術や製造手段)を使い、一気呵成に商品展開する』ことであり『先行者が道を作ってるから低コスト化できる』という点
— どっこいしょうじ (@dokkoi_mktg) July 10, 2023
さらに言えば、儲からない中で道を作り先行者は疲弊しているという点も…
ファンタジーの世界の野盗みたいな感じよね
— どっこいしょうじ (@dokkoi_mktg) July 10, 2023
正しいことに挑戦するも、夜道で野盗に襲われ先行者は死に、野盗が全てを奪って先に進む…的な
結局のところ、ビジネスとは提供する商品を正しい方針で正しくタイミングを見極めて投入することが必要で、それが過去の成功体験が邪魔をしてなかなかできなくなっているのが、日本企業が敗戦した本質論なんですわね。
ビジネスの世界は、倫理的、道徳的に正しいことが成功の秘訣でも何でもなくて、『タイミング』と『向かう方向』が正しいことが成功の秘訣なんですわね
— どっこいしょうじ (@dokkoi_mktg) July 10, 2023
そして多くの日本企業はまだまだアーリーで成功した成功体験者が会社を率いてるから、蘇るのにはまだ時間が必要そうだと…
同じ課題を解決するソリューションって必ずしも一つとは限らない
— どっこいしょうじ (@dokkoi_mktg) July 10, 2023
ただ、ソリューションに係る基礎技術には限りがある
だからこそ、ソリューション提供者になると厳しい競争に打ち勝たないといけないし、その中のファーストペンギンになるには相応の覚悟と費用負担の覚悟が必要なのね
まとめ
日本は中韓のメーカーに負けるケースが増えているよ
そもそも日本のビジネスモデルは欧米が生み出した基礎技術の製品化であり、カネはかかる割に儲からない領域だったよ
日本はその成功体験が忘れられず、とにかく投資をしては失敗を繰り返してきたよ。その様子をしっかり観察して『間違いのない戦い方をしての市場参入』をしてきたのが中韓のメーカーだよ
日本は戦い方を見直さないと、ジリ貧だよ、でもだれも市場開拓しなくなったら、果たしてどうなるんだろうね?
元記事引用元
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