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小豆島八十八ヶ所へんろ道 第6回:→薬師堂→長勝寺
歩いた日:2023年6月下旬・7月上旬
今回は小豆島南部の半島、三都(みと)半島の霊場を巡ります。この区間は極端に売店や飲食店が少なく、交通機関も乏しいため、事前準備を欠かさないようにしましょう。
→薬師堂
前回紹介した「小豆島オリーブナビ」からスタートします。
まずは国道436号線を西(土庄方面)に進みます。緩やかなカーブの途中、左手に現れる坂道を下ります。
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そのまま行くと県道251号線との丁字路に出てきます。再び左折し、県道を南に向かって歩きます。
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途中、看板が右手にある階段を指しています。実は札所の所在地の都合上そのまま進んでもいいのですが、今回はここで県道と別れ、旧へんろ道の方を行きました。
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このままいつもの調子で茂みを進むかと思いきや、あっさりとすぐ道路に出ました。
ここからしばらく道なりに進んでいきます。
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やがて、赤い屋根の焼肉屋跡と別荘の前を通過します。ちなみにこの近くには、江戸時代に獣害対策で造られた土塀「長崎のしし垣」が残っています。
ここで1つ気をつけるポイントが。
写真⑦の別荘の前で道が二手に分かれており、遍路道の看板は右を指しています。しかし、ここでは看板を無視して真っ直ぐに進んでください。というのも、この看板は移転前の札所の方向を示しているため、かえって遠回りになってしまうためです。
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真っ直ぐ進むと下り坂になります。ジグザグと下りると、県道251号線に合流します。階段(写真③)を上らなくてもいいと言ったのはこれが理由です。
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再び県道を南に進みます。
ここまで長いこと“険道”に片足を突っ込んでいるような状態が続いていましたが、途中で2車線になります。
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あとは「異常気象時〜」の標識の奥を右折すれば、お待ちかねの「薬師堂」に到着です。
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第28番 薬師堂(やくしどう)
先述の通り、かつてこの札所は峠道の途中にありましたが、現在は麓側に移転しています。詳しくは分かりませんでしたが、2000年代に入ってからのようです。
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薬師堂→風穴庵
ここからは別日に歩いた記録です。
まずは薬師堂の前を右手(西)に進み、2番目もしくは4番目の分かれ道を左に行くと県道250号線に出てきます。
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矢印が逆なのは札所移転前の名残りでしょうか
ぐねぐねとした県道を上っていきます。
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ヘアピンカーブを曲がった先で、道標が山の中を指しています。入口からしてなかなか手強そう…
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さあ徒歩遍路恒例、山歩きの始まりです。元々薄暗い道のうえ、この日は薄い靄がかかっており、より一層妖しげな雰囲気でした。
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Leica M4-P + NOKTON classic35/1.4 Ⅱ SC
AGFA APX100
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他のブログも確認しましたが皆が皆「詳細がわからん…」という反応でした
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ドングリが成る木の一種だそうです
途中、この深い森に似つかわしくない管が地面を這っています。水道管のようにも見えますが、これは一体…?
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そんなこんなで山道を歩き続け1時間弱、ようやく外の光が射し込んできました。もしかして次の札所までもうすぐかも?と期待が膨らみます。
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…あれ?
残念ながら札所はまだ先でした。
ちなみにこの辺り、先ほどの謎管も含め人工物が目立ちます。なんでも、ここはかつて別荘地として開拓する計画があったようで、人工物や妙に直線的な道はその名残りと思われます。ネット検索ではその計画について情報は得られませんでしたが…
気を取り直して先に進みます。道はすぐに森に吸い込まれていきます。川が道の横を流れており、先ほどとはまた違った雰囲気です。
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深い森から抜け出すと、やっとこさ「風穴庵」です。
第29番 風穴庵(かざあなあん)
石垣に空いた小さな風穴が名前の由来。穴からは涼しい風が吹くそうですが、何を思ったかこの時はその穴をろくに確認せずに先へ急いでしまいました。なんたる失態…
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風穴庵→正法寺
本堂から下り坂を下りていくと県道268号線に出るので、そこから今度は県道を上り方面に歩いていきます。
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再び険道の様相を呈してきた県道を進んでいると、いろは坂の如き急カーブに差し掛かったところで徒歩の遍路道は森に入ります。
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森を突っ切ったあとはそのまま直進するだけで、「正法寺」は目の前です。
第30番 正法寺(しょうほうじ)
小規模な札所が続きましたが、ようやく今回はじめての「お寺」です。看板犬がお迎えしてくれるようですが、残念ながら今回はお目にかかることはできませんでした。
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正法寺→誓願寺
ここから先は県道250号線を北上するだけなので、道順はとても単純です。説明の手間が省けてありがたい。
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道なりに歩いて小さな峠を越え、公民館のある丁字路を曲がれば「誓願寺」に到着です。標識を目安にしてください。
第31番 誓願寺(せいがんじ)
ここ誓願寺の見所といえば、なんといっても大ソテツ。歴史の教科書でお馴染み行基上人が植えたという伝説もありますが、真偽はさておきこの堂々とした佇まいは一見の価値ありです。
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誓願寺→保寿寺庵
県道に戻って再び北上します。この辺りはまさに田舎の港町といった趣で、心が落ち着く良い雰囲気です。
第32番奥の院 大師堂
次の札所のある少し手前で、気になる看板を発見。前回の「御水の大師」と同じく、奥の院でありながら八十八ヶ所には含まれていない不思議な立ち位置ですが、すぐ近くなので寄り道してみました。
県道から路地に入った先、丘の上に建つ小さなお堂です。周りよりひとつ高い所に位置しており、室生(むろう)地区の街並みと穏やかな瀬戸内海を一望できます。
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県道に戻り少し歩くと、右手に見えるのが「保寿寺庵」です。
第34番 保寿寺庵(ほじゅじあん)
こちらも小高い丘の上にある札所です。霊場会によると、明治の神仏分離令によりこの地に建てられたそうです。
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引きで見るとなかなか変わった立地に感じます
第32番 愛染寺(あいぜんじ)
保寿寺庵から「愛染寺」まではすぐなので、簡単に紹介します。
保寿寺庵からまたまた県道を進むとすぐ左手に道の駅 小豆島ふるさと村のが見えてきます。この横を通る途中で標識の通り右折すると、あっという間にたどり着けます。
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寺の名前から仏教に詳しい方は察しがつくかと思いますが、ここは敬愛や縁結びにご利益がある愛染明王を祀っています。そのためか境内にはあんな像やこんな像があるので、気になった方は足を運んでみてください。
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愛染寺→長勝寺
いよいよ長かった三都半島の徒歩遍路もラストスパートです。
小豆島ふるさと村を通り過ぎ、坂道を上り、トンネルをくぐります。ちなみにこのトンネルの上にある城山公園は、桜の名所として人気の場所です。
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トンネルを抜けると道は下りになり、ようやく池田地区に入りました。
坂を下りきった所で、右側に棚田のような段々が現れます。これは「池田の桟敷」といい、祭りの観客席として利用されてきました。現在でも近くの亀山八幡宮の秋祭りの際に活躍しています。
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桟敷の北側の道を右に曲がります。そのまま桟敷の裏に周るように進むと、今回の最終目的地、「長勝寺」に到着です。
第33番 長勝寺(ちょうしょうじ)
八十八ヶ所の中でも、トップクラスに広い境内です。国の重要文化財に指定されている仏像と梵鐘が保管されています。
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次回は池田を出発し、西に向かった後に再び池田に戻ってくるルートです。
投稿が非常に遅くなり申し訳ありません。最近は私生活が忙しくなってきており、今後も1ヶ月に1回程度になってしまいますが、忘れた頃に更新していければと思っているので、ほどほどにお待ちいただければ幸いです。
ご覧いただきありがとうございました。
今回の地図
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⑯-㉔の位置は推定です