愛機いろいろ 第1回:PENTAX K10D
遍路道の記録ばかり書くのも飽きるので、息抜きに新シリーズを始めます。
はじめに
僕の記事を読んだことがあれば、僕の趣味が写真であることは周知の事実(?)かと思います。しかし、
…というわけで不肖どっか行く人、写真好きが転じてカメラそのものにも興味を持ち始めてしまい、あれよあれよと手元には機材がゴロゴロするようになってしまいました。
そんな十把一絡げな機材たちも、佇まいや機能などそれぞれ個性がありなかなか面白いものです。このシリーズはそんなカメラ・レンズたちを主観的かつ大雑把に紹介していく場です。中には人気機種だけでなく、今ではまるで注目されることのない不憫な機種もありますが、そんな物たちにも思いを馳せていただければ(あわよくばインスタの宣伝もできれば)幸いです。
なお、これを書いている人は写真の専門知識に精通しているわけでも、レンズの違いによる描写の差を見分けられる鋭い観察眼を持っているわけでもありません。また所有機材は老朽化&元ジャンク品ばかりなので、本来の性能が出ていないことも多いです。フィーリングの赴くままに書いているため、誇張や憶測、間違いが含まれている場合もあるのでご了承ください。
カメラとの出会い
記念すべき第1回、どれを紹介しようか迷いました。順当に今のメイン機材にするか、お気に入りのフィルムカメラにするか…。そこで思いついたのが、歩き遍路のお供として活躍したPENTAX K10Dです。
2006年発売のAPS-Cデジタル一眼レフ。
購入した当時は、フィルムカメラ時代のレンズをデジタルでも楽しみたいという理由で、おおよそ1万円程度が中古相場の機種を探していました。他の候補にはNikon D200やKONICA MINOLTA α-7 DIGITALなどがありましたが、とあるカメラ屋で予算よりも安価な個体見つけたのでK10Dに決めました。(α-7Dについては後に迎え入れますが、それはまた別のお話)
遍路道のお供に
そんな経緯で手に入れたK10Dですが、正直なところあまり使っていませんでした。というのも、購入後に「ピントずれ」が発覚したためです。
この不具合は同機種によく現れるようで、AFやフォーカスエイドでピントを合わせても僅かにピントを外してしまうものです。液晶画面が粗いのも相まって、撮影後になって判明することもしばしば。その上、1年足らずで同じペンタックスKマウントのデジタル一眼レフKPを新品で購入したため、当初の目的もそちらでこなせるように。
※なお、ピントずれについては後に「うらメニュー」で調整し改善しました。ネットにその方法が載っており、至って簡単です。
では何故そのようなカメラに白羽の矢が立ったのかというと、K10Dが歩き遍路のお供にちょうどいい性能・機能だったからです。
①画素数・写り
K10Dのセンサーは有効画素数1020万画素のCCD。発売当時は高画素が売りだったことが公式サイトからもうかがえますが、それから18年。APS-Cサイズでも4000万画素オーバーの機種が出てくる時代においては、すっかり低画素機扱いされるようになってしまいました(ちなみにKPは2432万画素)。
一方で、画素数が少ないということはその分データサイズも小さいということ。記録サイズを最大に設定した場合、KPだとJPEGの写真1枚で10MBは下らないのに対し、同じ設定でもK10Dは2-4MB程度。徒歩遍路の道のりを記録する都合どうしても撮影枚数は多くなりがちなので、データ容量を節約できるのはメリットと呼べます(もちろん高画素機でも記録サイズを落とせばいい話ですが、高画素機はそれ相応の設定で撮らないと勿体ないと思ってしまう質なのです)。
また、K10Dは画素数が少ない≒解像度は最近のデジカメに敵わないものの、写りの雰囲気と言いますか、色味は今のカメラにも引けを取らないものがあります。
良い色です。カメラ内の設定だけでここまで引き出せるのですから、K10Dの素性の良さがよく分かります。
②堅牢性
防塵・防滴性能の高さは、ペンタックスの特長として挙げられる筆頭です。
YouTubeで調べると、泥を塗られたり、砂をぶちまけられたり、シャワーを浴びせられたりしながらも元気なカメラたちを観られます。精神衛生上、自分のカメラにはそこまでしたくないですが、多少雨に降られてもどうってことない安心感は徒歩遍路に持ち出すうえで無視できないポイントでした。
ボディもがっしりとした造りです。1960-70年代のいかにも頑丈そうな金属製のカメラとは違いプラスチックの外装とはいえ、ひ弱な感触は無く頼り甲斐のある重厚感です。
③使い勝手
ペンタックスの一眼レフを使っていると、使い勝手の良さを感じることがよくあります。
例えば、プログラムAEとシャッター速度優先AE/絞り優先AEを素早く切り替えできる「ハイパープログラム」と、マニュアル露出中に一発で適正露出に設定できる「ハイパーマニュアル」の2つを合わせた「ハイパー操作系」があります。マニュアル露出をメインに使う人間にとって、後者は非常に便利なので他のメーカーにもぜひ欲しい機能ですが、未だそのような話を聞きません(特許絡みで実装したくてもできない可能性もありますが)。
RAW回りにもペンタックスのユーザーフレンドリーな一面が垣間見えます。
僕はどのデジカメでもRAWとJPEGの両方で記録し、単に記録として撮った場合はJPEG、作品にする予定や明らかに露出やホワイトバランスなどの修正が必要な場合はRAWを残すようにしています。その際、PCでRAW現像をした方がより細かく調整できるのですが、なにぶんズボラな性格なのでその都度その都度PCを開くのが億劫になってしまいます。
そこで多用するのがカメラ内現像ですが、今では多くのカメラに搭載されているこの機能を初めて実装したのがK10D(だったはず)です。今のカメラと比べると設定できる項目も調整できる範囲も物足りなさを感じますが、それでもカメラの中だけで完結する手軽さは捨てがたいものがあります。
おわりに
以上の理由から、K10Dは徒歩遍路のメインカメラとしてその実力を遺憾なく発揮してくれました。フィルムカメラに比べ、デジタルカメラはライフサイクルが短く性能の陳腐化が目立ちやすいですが、K10Dは登場から18年経った今なお、確かな存在感を放っているように感じます。ネット上に未だ愛用者が多いのも、その人気を裏付けています。
しかし、性能もそうですが先述の「持病」や全体的に少しゆっくりとした動作など、どうしても古さを感じる部分もあります。そこは「寛大な心」を持って接してあげることが大切です。
息抜きで始めたつもりが、結局長々となってしまいました。次回からはもう少し読みやすく簡潔にまとめていけたらと思います。
ご覧いただきありがとうございました。
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