家づくりにおける大きな方向性を考えてみた
家づくりで発生する個々の建材や設備の知識は無限に存在し、知識吸収をし続けてもキリがない。
それはプロである住宅会社の経営者が何十年かけても、理解できる範囲は一部であると言える。土地や間取りもひとつひとつ理解し、将来にわたって後悔しないようにするのは、かなり難しい。
では、どうするのか。
木を見る前に森を見る(大きな視点)
「木を見て森を見ず」という言葉がありますが、
まずは、個々の木=細部=建材や設備・間取りを考える前に、大きな方向性=森を見て、自分の家づくりの方向性はどちらを向いているのか考えたほうが良さそうです。
飲食店でいえば、洋食が食べたいのか。中華が食べたいのか。
遠くのオシャレでちょっと高い店なのか。地元で美味しいと評判の店なのか。
誰と食べるのか。
そもそもお腹が減っているのか。
住宅会社も飲食店と同じように大手から中小工務店まで、数多くの会社があります。
(ネットで検索すると全国で3万5000社という数字が出ました。)
それだけ、千差万別、多種多様な家づくりがされています。
建材や建築工法は、一昔前に比べるとかなり進化し、それにより住宅建築の方法はかなり集約されてきた感はあります。
それでも、会社ひとつひとつの考え方や仕組みはまだまだ大きく異なります。
みなさんのご近所を見てもわかるかと思います。
家電量販店に並んでいる冷蔵庫よりも、形状や形態がことなるお家が住宅地には並んでいるのではないでしょうか。
住宅会社の特性の違い
高性能住宅を売りにする住宅会社を飲食店で例えるならば、焼肉店くらいのカテゴリーになるのではないでしょうか。
焼肉といえば外食の王道。
住宅といえば近年は高性能を打ち出す会社がかなり多くなっています。
それでも焼肉屋は、いろいろな焼肉屋があります。七輪をつかうのか、ガスロースターを使うのか。
ホルモンなのか。牛なのか。豚なのか。
高性能住宅も一緒です。ウレタン断熱なのか。高性能グラスウールなのか。ダブル断熱なのか。
もはやこの時点で多くの家づくりを始めた方は「???」になってしまいます。
そうなのです。
焼肉店であれば、みなさん過去に何度も言っているので過去の経験知を活かすことができますが、住宅は購入経験がないので、言葉の意味から「???」となってしまいます。
住宅会社以上に異なるカテゴリーの違い
さらに言うともっと大きな視点から入ったほうが良いかもしれません。
マンション。注文住宅。建売住宅。売建住宅(土地を買うと建てる会社が決まっている)。
マンションとそれ以外の違いはわかりやすいかもしれませんが、住宅展示場に言ってみたら、注文住宅の会社だった。建売の会社だったと知る方も多そうですし。
注文住宅の会社の建売部門だったということもあるでしょう。
何も知らないままですと、それぞれメリットを営業担当者から伝えられるのは当然です。
まずは、それぞれどんなメリットがあり、どんなデメリットがあるのでしょう。
それは、購入の仕方。将来の暮らし方。金銭。利便性。
どのようなカタチで購入者に影響をもたらすのかをある程度、常識の範囲で知っていた方がよいでしょう。
お休みの日に住宅展示場やモデルルームを見に行けたとしても1日3つくらいが限界です。
知識を入れる量も限られると思います。
個人的には建材や設備といった住宅会社それぞれがお得意とする家づくりのミクロの話、細部の話を聞く以前に、そもそもどのような建物、どのような会社と自分の好みの方向性があっているのかを調査し、考えた方が将来的なズレは減るのではないかと感じたりします。
公共交通機関の利便性を重視したり、資産価値を重視したりするのであれば、注文住宅よりも、マンションのほうがその価値は高くなります。
性能もそうです。マンションは隣が部屋です。
どんな高性能な断熱材よりも暖かいはずです。
逆にオーダーのスーツを作るように持っている家具や理想の暮らし方に合わせられるのは注文住宅です。そのためには、理想の暮らしを具体的な言葉にしなければなりません。
また、相性も大切です。
醤油ラーメンが得意な会社にこだわりの明太子パスタをオーダーで頼んでしまえば、それは確実にミスマッチが発生してしまうわけです。
次回は、マンション。注文住宅。建売住宅。売建住宅。の違いにもう少しまとめてみたいと思います。