希望の見つけ方(44):自分を知る
もっともっと
自分の強みを意識してやろう
だって私は
私の強みで生きるのが
いちばん私らしいから
ダイソーの創業者、矢野博丈氏(故人)の記事が目に止まりました。100円均一にしたのは偶然だったというのです。ある日、自宅近くの空き地で露店を開く予定でした。雨が降り出したので「今日は休もう」と思っていました。ところが天気が回復し、ぞくぞくと人が集まってきました。
押し寄せた大衆は勝手に荷物を手にとって「これいくら?」と聞きます。値札を貼る余裕なんかありません。思わず「全部100円!」と口に出してしまっていました。「わたしは計算ができない。だから利益を重視せず売ることだけに専念した」というのです。矢野氏は自分のことをよく知っているのです。得意の、売るということに専念して大をなした人と言えるでしょう。
私はかつて、船井総合研究所というコンサルティング会社に勤めていました。
仲間にMさんという人がいました。彼は決して優秀なコンサルタントというタイプではありませんでした。けれど上司からとても重宝がられていた人です。実は彼にしかできない特技があったのです。それは誰もが嫌がる集金という作業。支払いが滞っていた会社に行って、とてもスムーズに回収してくるのです。Mさんは強面のタイプではありません。ごく自然体の人柄のいい男です。かれは顧客と友達のような関係を築いて、結果として気持ちよく売掛金を回収する名人でした。
パリオリンピックで金メダルを獲得した柔道の角田夏美選手もまた、自分をよく知り自分を活かして成功した人です。私の高校の柔道部の監督が、角田選手と同じ学芸大学の先輩です。以前、角田の得意技である巴投げをかけてもらったことがあるそう。そこで驚いた!というのです。巴投げという捨身技は、相手の下腹に足を入れて投げる技ですが、その足がまるで吸盤だ、というのです。くっついて離れない。角田選手は自分の独特な体質を熟知した上で、得意技を磨いていたのです。
私も若い頃から柔道のご縁をいただき、今も稽古を続けていますが、自分の年を考え、「形」(かた)の大会の上位入賞を目指しています。柔道にも空手と同じように、形を競い合う部門があるのです。私が仲間と挑戦しているのは「固めの形」の部門。固めとは寝技のことで、抑え技、絞め技、関節技の計15の技を競います。これだったら、今の自分の体力にさほど無理はかからない、と判断したのです。
自分をよく知った上で自分を活かす。希望とはその先に見えてくるものです。
◎カイゼンひとくち英語
Ask yourself: what am I really good at?
自分に問いかけてみよう、私の得意は何だ?
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