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連載更新 新章「大学の取材編」 その1(2000年代物書き盛衰記〜 ゼロ年代真っ最中に小説家商業デビューした私だがなぜか干されてしまって怪しい評論家もどきライター兼講師に?)

割引あり

2000年代物書き盛衰記〜 ゼロ年代真っ最中に小説家商業デビューした私だがなぜか干されてしまって怪しい評論家もどきライター兼講師に?

新章「大学の取材編」 その1




(1)取材の経緯

 
 前章で書いたように、2005年に小説で商業デビューしたあと、続編のための取材をすることにした。デビュー作は音楽小説なので、続編はもっと腰を据えて音楽業界を取材して書くつもりだった。
 そのために、まずは大阪府内の音大に在籍して一定期間、取材する計画だった。
 それというのも、筆者は元々、高校時代から音楽(吹奏楽と合唱)を続けていて、高校教員になってからも吹奏楽部の指導をした時期があった。その当時勤めていた高校でも、吹奏楽部の副顧問をやっており、いずれ自分もどこかの高校で吹奏楽部の指導を再びやろうという考えがあった。それで、音楽の専門教育を受けたことがなかったハンデを少しカバーしたくて、音大で科目履修をして吹奏楽指導者としての実力を養っておこうと計画したのだ。
 この取材のための音大在籍は、正規のルートで申し込んでいて、高校教員としても当時あった「長期研修制度」を活用して1年間休職して行うものであり、何らやましい点はないはずだった。
 ところが、この章の最後に書くが、トラブルに巻き込まれて結果的に教職を辞める羽目に陥ってしまうことになる。好事魔多し、というべきだった。


(2)音大に通う〜2005年4月12日

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土居豊:作家・文芸ソムリエ。近刊 『司馬遼太郎『翔ぶが如く』読解 西郷隆盛という虚像』(関西学院大学出版会) https://www.amazon.co.jp/dp/4862832679/