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Picnic No.12を読む
Picnicは新しいのになんだか懐かしい同人誌である。
17音の詩というざっくりとした括りで、俳句と川柳の実験を果敢に試みる姿勢にとても共感、というより励まされる。
チャレンジ精神あふれる連作のなかで、読者として緊迫しドキドキしながらも、短詩はこれでいいのだという安堵が芽生えるから不思議だ。
最近、俳句と現代川柳がもっと仲良くなってほしいという評論を某所に書いたのだが、ここはユートピア、そもそも垣根がない。
俳句と川柳がピクニックに行って、それぞれ持ち寄ったりなにかを探し出したり、実に楽しい空間だ。
きっとそんな懐の深さに懐かしさや安堵を感じるのだと思う。
以下、絞りに絞った感銘句を挙げる。
希釈を終えた食卓が血の泡だが 榊陽子
まいまいは一行だけで軽くなる 妹尾凛
核家族舐めればバーモントカレー 月波与生
小さな川に魚棲むように司会かな 松井康子
ひぐれからふりおとされるひえらるひ あみこうへい
春過ぎてすてに安居のぐるめかな 大下真理子
樟落葉村人1につづいて2 羽田野令
炒飯やうなづいて雨ふりだして 岡村知昭
チリという国から輪郭だけ送ってもらう 梶真久
海苔巻きは明日の地球かもしれぬ 叶裕
こうもりの和音の交差暮の空 木村オサム
手のひらを返して欲しい春の宵 鈴木茂雄
引き算を間違えコロシアムになる 野間幸恵
鈴木茂雄さんからご恵送いただきました。ありがとうございました。
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